崖っぷち四十男が競輪に挑む!俳優・安部賢一『ガチ星』にかけた思い
12日、俳優の安部賢一と江口カン監督が、京都で開催中の「京都国際映画祭2018」内で行われた、競輪がテーマの新作映画『ガチ星』の舞台あいさつに登壇し、本作にかけた思いを語った。
本作は、競輪発祥の地である福岡県・小倉を舞台に、アラフォーでありながら競輪選手として再起をかける元プロ野球選手を描いた、2016年放送のローカルテレビドラマ「ガチ★星」の劇場版。映画初主演となる安部が、戦力外通告から一念発起して、競輪学校に入学する主人公を熱演している。
野球に憧れ、競輪選手の父を持ち、自らも競輪選手を目指した過去を持つ安倍は、オーディションで落とされても食らいつき、主演の座をつかんだ。「これで落ちたら、役者をやめて(出身の)九州に帰ろうと思っていました」と当時の覚悟を振り返る安倍。江口監督は当初、「かっこよすぎる」という理由で安倍を落としたというが「3回目に会った時に、全てさらけ出してくれたので、この人と心中しようと思えました」と信頼関係を築いたという。
今年4月の福岡公開を皮切りに、「男が号泣する」という評判が口コミで広まり、今だ上映館が増えつつあるという本作。公式サイトには、斎藤工、松重豊ら人気俳優からの熱いコメントも寄せられており、さらに江口監督は「名前は伏せますが、とある超有名で超巨大なダンスユニット集団のリーダーから脚本家の元に直接電話があって。メンバーの方々みんな、この作品を観てくださったそうで、飲んだ時にすごく盛り上がったと聞いて」と告白。安部も「すごく嬉しかった」と笑みを浮かべた。
「人生を生きていると、情けないことやみっともないことがある。でも、そんな人にも見てくれている人がいて、新しいことを始めた先には必ず光があるという、希望が持てる作品です」と語った安部。自堕落な生活から再起する主人公を演じるため、競輪のトレーニングと共に1日6食の生活を送り、3週間で10キロ増という壮絶な役づくりに挑んだといい、最後は「演者もスタッフもみんな、熱を持って作ったので是非よろしくお願い致します」と観客に呼び掛けていた。(森田真帆)