今夜金ロー!『もののけ姫』の誕生の舞台裏
映画『もののけ姫』が26日、日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」(夜9時~)で放送される。本作の裏設定やさまざまなエピソードに迫る。
同作は、“タタリ神”に死の呪いをかけられてしまった青年・アシタカが主人公。呪いを絶つ方法を探す旅の途中でアシタカは犬神に育てられた少女・サンや、タタラ場を率いるエボシ御前と出会う。この作品には、監督の宮崎駿のさまざまな思いを込められており、人気キャラクターであるエボシ御前は製作の途中で亡くなるはずだったが監督のお気に入りだったこともあり「やっぱり殺せない」と議論が起こったという。
また、カウンターテナー歌手・米良美一が歌う主題歌の「もののけ姫」は、宮崎監督自身が書き下ろしたもの。アシタカの心の中の声をイメージしたといい、同曲には2番の歌詞がなく、監督が「1番しか書けない」と語ったそうだ。ほかにも、製作期間中の1995年9月には宮崎監督が腎臓結石のために救急車で病院に運ばれ、その日のうちに仕事へ復帰するというエピソードも。
同作の「生きろ。」というキャッチコピーはコピーライターの糸井重里が考案。決定するまで、宮崎監督とFAXで何度もやり取りが行われたのは有名な話だ。また、『もののけ姫』の1週間後に「生きろ。」と正反対の「だからみんな、死んでしまえばいいのに…」というキャッチコピーの映画が公開された。その作品とは『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』で、監督である庵野秀明は『風の谷のナウシカ』で巨神兵のシーンを担当していた。
1997年7月12日に公開された同作は、興行収入193億円と当時の歴代興行収入の1位を記録(興行通信社調べ)。それまで1位だった『E.T.』(1982)の135億円を大幅に超える大ヒットとなった。数々のヒット作を生み出してきた宮崎監督は2013年の『風立ちぬ』で引退を表明していたが、昨年に『君たちはどう生きるか』を制作中であることを発表。新作への期待が高まる。(編集部・梅山富美子)