草刈正雄「胸いっぱい」7年ぶり主演映画公開に感無量
俳優の草刈正雄が10日、新宿ピカデリーで行われた7年ぶりの主演映画『体操しようよ』(公開中)公開舞台あいさつに、木村文乃、きたろう、渡辺大知、和久井映見、菊地健雄監督と共に出席。普通のおじさんを演じた草刈は「僕が演じるとリアリティがなくなるんじゃないかな」と発言すると、きたろうから「相当二枚目だと思っているんだね」と突っ込まれ、苦笑いを浮かべた。
本作は、18年前に妻を亡くしたシングルファーザーの道太郎(草刈)が、定年退職後、二人三脚でやってきた娘・弓子(木村)から親離れ宣言されたことをきっかけに、ラジオ体操を通じた地域活動で新たな自分を見つけ出していく姿を描いたヒューマンストーリー。
草刈は最初に脚本を読んだ際、淡々とした沁みる映画のなか、派手ではなく“普通のおじさん”という役にしっかりと入り込めるのか、さらにどれだけリアリティを持たせることができるか悩んだという。「50年近く俳優をやっていますが、初めての役柄。とても不安でしたが、周囲の俳優さんたちが助けてくれて、もぐりこむことができました」と感謝を述べる。
そんな草刈の発言にきたろうは「そうとう二枚目だと思っているんですね」と鋭い突っ込みを入れると、草刈は苦笑したが「俳優のタイプにはいろいろあります。緻密に計算していくタイプの方もいますが、僕はざっくりと脚本をとらえていくタイプ。芝居を作るのではなく、スタッフや共演者の人柄に惚れることで(役を)作ってもらえるんです」と改めて共演者に恵まれたことを強調する。
なかでも、道太郎が憧れる女性・藤澤のぞみを演じた和久井に対しては「芝居する必要がないぐらい、素直に恋心がわいてくる女性でした」とその佇まいを絶賛していた。
また、娘役の木村ほか共演者で完成させた似顔絵をプレゼントされると、草刈は「胸いっぱいです。感謝です。久々の主演映画でワクワクとドキドキが得られました」と清々しい表情を見せていた。(磯部正和)