松岡茉優「完全な2位」安藤サクラに完敗認めライバル心燃やす
女優の松岡茉優が、第10回TAMA映画賞の最優秀女優賞を受賞し、17日に東京・パルテノン多摩大ホールで行われた授賞式に登壇。同賞のもう一人の受賞者・安藤サクラに完敗を認めつつ、ライバル心を燃やした。
本年度最も心に残った女優を表彰する賞を、『勝手にふるえてろ』において「こじらせ型のヒロインに血を通わせ、強いシンパシーと共に観客の心を震わせるバイタリティーに圧倒させられた」と評価されて受賞した松岡。『万引き家族』『ちはやふる -結び-』『blank13』での演技も高く評価されており、松岡は「ありがとうございます」と感謝するも、「嬉しくてたまらないのですが、もし、最優秀賞が1名だったら、わたしは確実にここにはおりません。完全な2位だと思っています」と発言。というのも、『万引き家族』のラストシーンを観たリリー・フランキーが「安藤サクラはあのシーンだけで映画賞を8個獲れる」と言ったそうで、松岡は「そうだな。悔しいと思いました」と素直な気持ちを吐き出した。
しかし、2年前に同映画賞の最優秀新進女優賞を受賞した松岡は「悔しいと思えたことは(女優としての)一番の成長。サクラさんにいつか追いつきたい、追い越したいと思えるようになったのは、(2年前に)ここで女優として認めてもらったから」と喜びもにじませた。そして今回の受賞により「自信と温かい気持ちと、たくさんの人が映画を観てくれたという心強い後押し」を受けたことを明かすと、「これから飛躍していくことを誓います」と力を込めた。
受賞に対する熱い思いを語った松岡に、司会者が『勝手にふるえてろ』について話しを聞くと、「今も勝手にふるえております。すごく緊張するぅ」と少しホッとしたような表情。演じた“こじらせ女子”のヨシカは「気持ち的にも技術的にも、子役時代からの十数年間を出し切らないとやれない仕事でした」と振り返ると、『万引き家族』は「今までの(自分の)すべてじゃ敵わない現場でした。わたしの十何年はなんだったんだろう」と吐露。是枝裕和監督はニコニコしながら「もう一回」とリテイクを求めてきたそうで「(現場に是枝監督の声が)響きましたね。ふふっ」と今では笑えるまでになった過酷な撮影現場を思い返していた。
2019年秋には主演映画『蜜蜂と遠雷』が公開予定。松岡は「(3度目の受賞は)来年ですかね? よろしくお願いします」と笑顔を振りまいていた。
TAMA映画賞は、多摩市及び近郊の市民からなる実行委員が「明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる<いきのいい>作品・監督・俳優」を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰する映画賞。(取材:錦怜那)
第10回TAMA映画賞の受賞者・作品
最優秀作品賞
『万引き家族』 (是枝裕和監督、及びスタッフ・キャスト一同)
『寝ても覚めても』(濱口竜介監督、及びスタッフ・キャスト一同)
特別賞
沖田修一監督、及び山崎努・樹木希林さんはじめスタッフ・キャスト一同 (『モリのいる場所』)
上田慎一郎監督、及びスタッフ・キャスト一同 (『カメラを止めるな!』)
最優秀男優賞
東出昌大 (『寝ても覚めても』『菊とギロチン』『パンク侍、斬られて候』『OVER DRIVE』『予兆 散歩する侵略者 劇場版』)
松坂桃李 (『孤狼の血』『娼年』『不能犯』『彼女がその名を知らない鳥たち』)
最優秀女優賞
安藤サクラ (『万引き家族』『DESTINY 鎌倉ものがたり』)
松岡茉優 (『勝手にふるえてろ』『万引き家族』『ちはやふる -結び-』『blank13』)
最優秀新進監督賞
今泉力哉監督 (『パンとバスと2度目のハツコイ』)
三宅唱監督 (『きみの鳥はうたえる』)
最優秀新進男優賞
吉村界人 (『モリのいる場所』『悪魔』『サラバ静寂』『ビジランテ』)
吉沢亮 (『リバーズ・エッジ』『猫は抱くもの』『銀魂2 掟は破るためにこそある』『ママレード・ボーイ』『悪と仮面のルール』『レオン』『斉木楠雄のΨ難』)
最優秀新進女優賞
深川麻衣 (『パンとバスと2度目のハツコイ』)
伊藤沙莉 (『榎田貿易堂』『パンとバスの2度目のハツコイ』『寝ても覚めても』『blank13』)