人は若き日の恋愛に影響される…ダンブルドア&グリンデルバルドの関係をジュード・ロウが語る
ハリー・ポッター魔法ワールド最新作『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』でダンブルドアを演じたジュード・ロウが来日時にインタビューに応じ、世界を脅かす“黒い魔法使い”グリンデルバルド(ジョニー・デップ)と、ダンブルドアの複雑な関係について切々と語った。
【特別動画】ダンブルドア&グリンデルバルドは「兄弟以上」の関係
原作者のJ・K・ローリングは「ハリポタ」シリーズ最終章を発表した2007年に、ダンブルドアについては常にゲイだと考えて執筆しており、彼はまだ若者だった頃、グリンデルバルドに恋していたと明言。小説などでは、ダンブルドアとグリンデルバルドは親友だったがグリンデルバルドが闇の魔術に傾倒し、最終的には決闘することになった……という過去が語られていた。
ローリングが脚本を執筆した本作にも、かつてのグリンデルバルドと自身の関係についてダンブルドアが「兄弟以上だった」と語るシーンや、見る者の心の奥底にある願望を映し出す「みぞの鏡」をダンブルドアがのぞくとグリンデルバルドが映るシーンなどがあり、それらはとても繊細でエモーショナルだ。
ローリングにダンブルドアの過去全てを聞いてから撮影に臨んだというジュードは、「このエピソードが示唆しているのは、彼らの過去、思春期の関係なんだ」と明かす。「中年期にある人たちは10代後半~20代前半の恋愛に今でも対処しているし、それに影響されているのは明らかなことだと僕は思う。その関係が“自分は今、何者であるか”ということに大きな影響を与えたんだ。ダンブルドアにとっても、その関係は彼が今どんな人物なのかということの鍵だし、今でもそれに対処している。グリンデルバルドとの若き日の関係は、彼を完全に変えてしまったんだと思う」。
さらに「僕が興味深いと思うのは、それがエモーショナルで親密なものであることに加え、彼の道徳心に疑念を抱かせたからなんだ」とダンブルドアがグリンデルバルドの真の意図を見て見ぬ振りをして、彼の野望に魅了されたことを悔いている点を指摘。「この関係によって彼は自分が何者であるかを再認識しなくてはいけなくなり、好ましくないと思う自分の一部も明らかになった。だから彼は今でもそのことに向き合おうとしている。どんな激しい関係でもそうだけど、誰に恋して、誰に憧れたかというのは、時に自分自身よりも自分自身をよく反映しているんだ」と分析した。
ジュードは真剣な表情で「だからこの映画で触れたのは、彼の中で持ち上がったそうしたことのほんの表面に過ぎないと感じている。今後、この関係がもっとひもとかれることになると思うよ」と続けていた。(編集部・市川遥)
映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』は公開中