作品賞は『ローマ』ニューヨーク映画批評家協会賞発表
第84回ニューヨーク映画批評家協会賞が29日に発表された。1970年代のメキシコが舞台のアルフォンソ・キュアロン監督『ローマ』が作品賞、監督賞、撮影賞の主要3部門の受賞を果たした。
主演男優賞はイーサン・ホーク(『ファースト・リフォームド(原題) / First Reformed』)、助演男優賞は『キャン・ユー・エヴァー・フォギヴ・ミー?(原題) / Can You Ever Forgive Me?』のリチャード・E・グラント。彼は『スター・ウォーズ/エピソード9(仮題)』にも出演が予定されている。
また、主演女優賞は『サポート・ザ・ガール(原題)/ Support the Girls』のレジーナ・ホール。助演女優賞も同じくレジーナだがこちらはレジーナ・キング で、『ビール・ストリートの恋人たち』。監督は『ムーンライト』のバリー・ジェンキンスで受賞しており今年度ナショナル・ボード・オブ・レビューでも同じく助演女優賞を取っている。
昨年度のアカデミー賞とニューヨーク映画批評家協会賞との受賞結果を比較すると、昨年度かぶった受賞は長編アニメ部門の『リメンバー・ミー』のみだった。アカデミーは娯楽性重視、こちらニューヨーク映画批評家協会賞は芸術性、社会性が重視されるためで、主演女優賞のレジーナ・キングや脚本賞、外国映画賞のようにナショナル・ボード・オブ・レビューとの同時受賞も多い。
アカデミー賞有力候補とされている『アリー/スター誕生』『女王陛下のお気に入り』『ブラックパンサー』『ブラック・クランズマン』『ファースト・マン』『ザ・ライダー』『ビューティフル・デイ』『バスターのバラード』『グリーン・ブック』などは、意外にも選出されず選外作品としての発表に終わった。
その他の受賞結果は下記の通り。
■脚本賞
ポール・シュレイダー
※ゴッサム・アワード、ナショナル・ボード・オブ・レビューに続いての受賞
■ドキュメンタリー賞
『マインディング・ザ・ギャップ(原題)/ Minding the Gap』(監督ビン・リュー)
■アニメーション賞
『スパイダーマン: スパイダーバース』(監督:ボブ・ペルシケッティ、ピーター・ラムジー、ロドニー・ロスマン)
■外国映画賞
パヴェウ・パヴリコフスキ監督『コールド・ウォー(英題) / Cold War』(ポーランド、イギリス、フランス)
※ナショナル・ボード・オブ・レビューに続いての受賞。
■ベスト ファースト フィルム賞
『エイス・グレイド(原題)/ Eighth Grade』(監督ボー・バーナム)
■特別賞
ブルーレイ/DVDボックスセット『女性映画監督の先駆者達』
ドロシー・ダヴェンポート、アリス・ギィ、ロイス・ウェバー、ヘレン・ホームズ、メイベル・ノーマンド、グレイス・キュナードの作品を2K、4Kの修復版で収録された1710分(28.5時間)11月20日全米発売。 (西野悦子)