吉田羊、興奮して一睡もできず…憧れの監督と対面!
女優の吉田羊が12日、都内で行われた映画『バーニング 劇場版』(2019年2月1日公開)のイ・チャンドン監督来日記者会見にゲストとして出席。同監督作『オアシス』(2002)が大好きだという吉田は「昨夜は興奮して一睡もできませんでした」と明かすと「監督が現場でどんな演出をするのか見てみたい」とラブコールを送った。
『バーニング 劇場版』は、韓国の鬼才イ・チャンドン監督が『ポエトリー アグネスの詩(うた)』以来、約8年ぶりにメガホンを取ったミステリー作品。原作は村上春樹の短編小説「納屋を焼く」。設定はそのままに物語を大胆にアレンジした意欲作で、テレビドラマ「ウォーキング・デッド」シリーズのスティーヴン・ユァンらが出演している。
イ監督は原作との出会いについて、NHKから「村上春樹さんの短編で映画を作りませんか?」というオファーがあったことを明かすと、いったんはスケジュールや村上作品の世界観を映画化するのは難しいという理由でプロデューサー側に回ったものの、脚本家から紹介された「納屋を焼く」ならば、人生のミステリーとして広げられるのではと考え、映画化に踏み出したという。
作家としても活動していたイ監督は、村上文学について「1980年代、韓国は政治的、社会的矛盾と戦っていた厳しい時代だった。そこから1990年代になり、新しい風が吹いてきた韓国文学界にとって、自由な想像力を持った村上さんの作品は現象になった」と当時を振り返る。さらに「韓国国内で村上さんは“ハルキ”と呼ばれているのですが、それは愛称を超えた存在である証拠なんです。わたしも『新しい文学だな』と思う一方で、それだけではなく、曖昧模糊な世界に対応するための必然的な文学だと思いました」と絶賛した。
またイ監督は、同じく村上の短編を映画化した吉田主演の『ハナレイ・ベイ』も鑑賞したと言うと「作品のなかでもそうですが、今日お会いして、改めていろいろな姿を持っている女優さんだなと感じました」と感想を述べる。さらに吉田から、イ監督が撮影現場でどんな演出をしているのか見てみたいとの要望を受けると「僕はシナリオの人物を探すというやり方をするため、キャスティングした時点で、俳優さんに委ねるんです。だから特別な演出はしないんです。がっかりされそうですね」と笑顔で回答。それでも「吉田さんともぜひ、俳優さんとしてご一緒できたらうれしいです」と語っていた。(磯部正和)