「いだてん」初回に話題尽きず 豪華キャストが一気に登場
6日、2019年の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(NHK総合・日曜20時~ほか)第1回が放送され、テンポの良い展開をはじめ、中村勘九郎演じるマラソンランナー・金栗四三(かなくり・しそう)の強烈な登場シーン、生田斗真らが演じるスポーツ同好会「天狗倶楽部」の濃いキャラクターなど話題がつきない。(一部ネタバレあり)
第1回「夜明け前」は、1959年、五輪招致目前の東京で落語家の古今亭志ん生(ここんてい・しんしょう/ビートたけし)が寄席に向かうシーンからスタート。高座で志ん生が50年前の日本のオリンピック初参加にまつわる噺(はなし)を語り出すと、1909年、柔道の創始者として知られる嘉納治五郎(かのう・じごろう/役所広司)がストックホルム大会を目指すエピソードに。「どこかに必ず韋駄天がいる!」と信じ、オリンピックに通用する選手を求めて孤軍奮闘する模様が描かれた。初回の平均視聴率は昨年の「西郷どん」初回15.4%を上回る15.5%を記録している(ビデオリサーチ調べ・関東地区)。
まず目を引くのは、主演の中村勘九郎、阿部サダヲをはじめ時代が交錯する中で次々に登場する豪華キャスト。嘉納率いる「東京高師・大日本体育協会」の竹野内豊、杉本哲太、古舘寛治。スポーツ同好会「天狗倶楽部」の生田斗真、満島真之介、近藤公園、武井壮。志ん生を取り巻く小泉今日子、神木隆之介、川栄李奈。森山未來演じる若き日の志ん生(美濃部孝蔵)と彼の周辺を漂う峯田和伸、橋本愛。1964年東京招致チームの星野源、松坂桃李、松重豊と場面が切り替わるごとに華やかな顔ぶれが行き交った。
“落語の神様”と言われる志ん生を、とぼけた味わいで軽やかに演じてみせた、たけし。大河は約25年ぶりとなる役所は“日本スポーツの父”と呼ばれる嘉納を時にコミカルに、時にアツく演じ、圧倒的な存在感。嘉納をドギマギさせる「天狗倶楽部」の青年たちの熱血ぶりや、一見、頭から血を流しているかのように見える金栗の疾走シーンなども話題に。昨年末、新キャストが発表された際に、星野源が外交評論家でジャーナリストの平沢和重(ひらさわ・かずしげ)にふんし、英語のスピーチを披露することが注目されていたが、その流暢な英語ゼリフも好評を博している。
朝ドラ「あまちゃん」の宮藤官九郎が脚本を務めるとあって、軽快な語り口が特徴。膨大な情報量を、たたみかけるかのようにスピーディーかつテンポよく見せていくのは、まさに宮藤流。
13日放送の第2回「坊っちゃん」では、金栗の少年時代のエピソードが展開。予告映像では、幼なじみのスヤ(綾瀬はるか)も顔を見せている。(編集部・石井百合子)