『ドラゴンボール超』ニューヨークの観客の反応をレポート
鳥山明のコミックを原作とする劇場版映画『ドラゴンボール超(スーパー) ブロリー』のニューヨーク・プレミアが1月8日(現地時間)、AMC Empire 25で開催。同作について会場を訪れた観客の感想を聞いた。
「力の大会」終了後も、宇宙にはまだ見たことのない強者がいると信じ、自身の能力を高めるために修行に精を出している孫悟空。ある日、悟空とベジータの前にほぼ全滅したはずのサイヤ人ブロリーが現れる。それぞれ全く異なる道を歩んできた三人のサイヤ人が地球で出会い、さらに悟空へのリベンジをもくろむフリーザも巻き込んで、新たな闘いが始まる。原作・脚本・キャラクターデザイン、全てを鳥山が務めた。
ニューヨーク映画批評家オンラインに属する批評家ジェラルド・ライトさんは、アメリカで放送されていたテレビ版アニメは鑑賞したことがあったが、これまで一度も映画版は鑑賞したことがなかったという。「今作はノンストップのアクション映画で、かなりペースの速いストーリー展開。多くのスーパーヒーロー(サイヤ人)が戦っているのも面白かったね。特に印象に残ったのは、鮮明なカラーを使った映像だ。その鮮明なカラーがスクリーン上では、アニメのヒーローのキャラクターの個性を引き出しているように見えたし、(戦闘シーンでの)使い分けられた色の表現には感心したよ。アクションシーンの中にコメディー調のせりふを入れたりして、アクションとコメディーに相互作用をもたらしているのも面白かったね」と批評家らしい感想を述べた。
子供の頃に「ドラゴンボールZ」を観て大ファンになり、このプレミアでは悟空の格好をしてきたソージ・タッチさんは「今作は新たな『ドラゴンボール』作品ではあるけれど、ノスタルジーを感じさせる要素もあったね。それはオリジナルアニメから多くの要素を今作に含めているからだと思う。これまでさまざまなドラゴンボールのアクションを見てきたけれど、今作は10段階で10をあげたくなるようなアクション内容だったよ。特に孫悟空、ベジータ、ブロリーの三人の戦闘シーンは圧巻だったね。かなりクレイジーだと思ったよ。これまで、『ドラゴンボール』のアメリカの声優には会ったことがあるんだけど、日本の声優には一度も会ったことがないから、ぜひ会ってみたいよ」と熱く語った。
少年時代に、アメリカでも売られている「少年ジャンプ」で、漫画「ドラゴンボール」を読んでいたというアノント・チンスクルさんは「漫画もアニメも、ストーリーと冒険に惹(ひ)かれて見始めたんだ。主人公の悟空が好きだったよ。ただ、漫画やテレビ版アニメと違って、映画でのアクションシーンでは1週間待たずに結果(勝ち負け)が出るから嬉しいね! 今作に含まれているコメディーのシーンは、今作はアクションだけではないと、観客を明るくさせるためのもので、アニメシリーズでのコメディーシーンの使い方とは、ちょっと違う気がしたかな。アメリカには『ドラゴンボール』のファン層がかなりいるから、今作もヒットすると思うよ」と満足げに答えた。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)