ノオミ・ラパス、体当たりで挑んだ注目のアクション映画を語る
映画『ミレニアム』シリーズ、『プロメテウス』のノオミ・ラパスが、Netflixの新作映画『クロース:孤独のボディーガード』について、ヴィッキー・ジューソン監督と共に1月15日(現地時間)ニューヨークのAOL開催イベントで語った。
テロ対策のエキスパートとして世界中で活躍してきたボディーガードのサム(ノオミ)は、鉱山会社を経営する大富豪エリックの死後、彼のティーンエイジャーの娘で、遺産を相続することになったゾーイ(ソフィー・ネリッセ)を警護することに。だが、2人は誘拐事件に巻き込まれ、命懸けの逃亡を図ることになる。映画『MIA ミア』のジューソン監督がメガホンを取った。
劇中、男性との派手な格闘シーンで、水の入ったタンクに落とされたり、爆破シーンに遭遇したりと、まるで身体能力がテストされているかのようでもある本作。ノオミは、これまで自分自身があまり居心地の良くないと感じている部分をあえて掘り下げて、自分を挑戦させてくれるような映画を探してきたと語る。また、今作ではスタントもほぼ彼女がこなしているが、監督や保険会社、あるいは自身のエージェントなどに止められなかったのかと聞かれると、「ほとんどのケースでは、わたしのチーム(エージェント)は、セットでわたしがどれほどのスタントをするのか知らないの。これまで鼻や足の指を折ったりしていて、身体中に傷跡があるわ。でも、もし自分がそのスタントをやるならば、どんなことでも全てやってみせて、できる限り良いスタントをやるように心掛けているわ」と答え、リアルを追求するためにスタントをするのだと付け加えた。
だが、今作の出演を決めたのはアクションだけでなく、感情的な部分も作品の重要な魅力だったからと語る。「単なるアクション映画をまたやりたくはなかったわ。(ストーリー上)深い感情を掘り下げて、その構成を保ちながらも、新たに探索する必要があったの。わたしが演じたサムは、とても複雑なキャラクターで、彼女は自分の人生を横に置いて、別の人を守ろうとしている。彼女はいつも自分を危険にさらしているけれど、感情的には自分を(表に)吐き出せないでいるのよ。そんな身体的にも精神的にも、危険と隣り合わせなのが、わたしにとってはとてもスリルだったわ」
そのストーリーが生まれた経緯について、ジューソン監督は「わたしは、素晴らしい仕事を持ったリアルな世界に生きる女性を探していたの。そんなときに、ジャッキー・デイヴィスというこの映画のモデルとなったボディーガードに出会ったわ。彼女が、わたしを彼女の世界の本質に導いてくれたのよ。それは、VIPのクライアントの警護をする以上のものだったわ。彼女に、若者が誘拐されたり、拉致されたりする主な理由について聞いてみると、彼女いわく、企業を相手に身代金を要求するケースが一番多いそうで、依頼人から受け取る電話の90%がこのケースだと教えてくれたの。でも、それらはアンダーグラウンドの出来事で表沙汰に扱われる事件ではないから、通常のメディアを通して聞いたことがないものばかりだわ。そういったことが世界中で起きているのよ」と実在の人物から影響を受けていたことを明かした。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)