なぜフレディ役にラミ・マレックが起用されたのか
クイーンのボーカルであるフレディ・マーキュリーの半生を描き、世界で大ヒットを記録している映画『ボヘミアン・ラプソディ』。本作で見事にフレディを熱演したラミ・マレックの起用理由を、プロデューサーのグレアム・キングが明かした。
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「フレディを演じる俳優探しは、何よりも大切だった」と強調するグレアム。「私がイギリスで『マリアンヌ』を撮影していた時、同僚のデニス・オサリヴァンが電話をくれて『ラミ・マレックに会わなければだめだ。彼ならフレディをやれると思う』と言った。ロサンゼルスに戻ると、ラミ・マレックが私のオフィスにやって来た。ミーティングは3、4時間続いたが、彼はとても興奮していて、天井に頭をぶつける勢いだったよ(笑)」とラミと会ったときのことを振り返る。
ラミといえばドラマ「MR. ROBOT/ミスター・ロボット」をはじめ、映画『ナイト ミュージアム』シリーズなど、これまでも多くの作品に出演。グレアムは彼ならフレディを演じられると確信した理由について「第一に、ラミにはこの仕事について長い経験があった。彼と3、4時間も話をすると、何か惹かれるものがあることに気づく。彼なら見かけを変えることもできるし、その能力があることも分かった」と語る。
「デニスも私も、ラミが居心地悪くなるほど、彼をじっと見つめていた。彼の言動やしぐさを見て、くぎ付けになってしまったんだ。フレディの物まねをしていたわけではなく、ラミのままでとても自然だったけれど、どこかピンとくるものがあった。彼はフレディに関して大量のリサーチをやっていたし、情熱とエネルギーにあふれていた。そこが訴えてきたんだ。私たちは決して物まねをする俳優を求めてはいなかった。ドキュメンタリーではなく、エンターテインメントを作ろうとしていたからね」
結果、ラミが演じたフレディは多くの人が知っての通り、大絶賛を浴びることに。先日発表された第76回ゴールデン・グローブ賞では男優賞(ドラマ)に輝き、映画自体も作品賞(ドラマ)を受賞した。22日に発表される第91回アカデミー賞のノミネーションにも期待が高まる。(編集部・中山雄一朗)