永瀬正敏&菜 葉 菜ら『赤い雪』ハードな撮影を振り返る
映画『赤い雪 Red Snow』公開記念舞台あいさつが2日にテアトル新宿で行われ、永瀬正敏、菜 葉 菜、井浦新、夏川結衣、佐藤浩市、甲斐さやか監督が出席した。
本作は『光』などの永瀬と『どんずまり便器』などの菜 葉 菜が主演を務めたミステリー。少年失踪事件を軸に、被害者の兄・白川一希(永瀬)と、容疑者の娘・江藤早百合(菜 葉 菜)の人生が交錯するさまを描く。
脚本にほれ込み主演を受けた永瀬は「新しい日本映画の才能が誕生する瞬間に立ち会えて幸せだと思っています」と噛み占めるように語り、ハードな内容と甲斐監督とのギャップについて「全然引かないんですよ。自分の中でビジョンがおありなので、可愛らしい方なんですけどブレない監督さんでした」と紹介した。
重く過酷な役に挑んだ菜 葉 菜も 「脚本を読ませていただいてハードな役になることはわかっていましたけど、実際現場に入ってみるとものすごい孤独感が襲ってきて、自分の中にある負のスイッチが全部入ったような状態になりました。その中でもがいて、先輩方それぞれの形でわたしのことを見守り、支えてくださり、最後まで早百合として駆け抜けることができたと思います」と晴れやかな笑みで振り返った。
また、悪役を演じた佐藤の怪演も話題になると、佐藤は「久しぶりですね。楽しいですよ、悪いのは」と振り返り、役づくりについては「薄汚くしたかったので、歯は黄色い方がいいと思って塗って乾かして、そういう小細工をやってました」と明かした。
自身の演技を初号試写で観た際には「何か嫌な感じ」がしたそうで、佐藤は「役が嫌なんじゃなくて、何だろうと思ったら三國連太郎だ、と。何か“疑似三國連太郎”になっていると思って、それが自分で嫌でしたね」と苦笑いしていた。
そんな佐藤との共演に永瀬は「ご飯に誘っていただいた時も役に入られていたので、『歯が黄色いですよ』と伝えたら『おお、忘れていた』と拭かれていたり、楽しい場面もありました」と和やかエピソードも披露した。
菜 葉 菜も「汚かろうが外道だろうが、わたしは初濡れ場が浩市さんで光栄でした。うちの母がうらやましがっていました。ありがとうございます」と大胆に感謝して会場を沸かせていた。(取材・文:中村好伸)