安藤サクラ、夫・柄本佑のスピーチに涙…夫婦で受賞喜ぶ
俳優の柄本佑と安藤サクラが第92回キネマ旬報ベスト・テンで、夫婦そろって主演男優賞と主演女優賞を受賞し、10日に都内で行われた表彰式に登壇。柄本がスピーチの中で昨年10月に亡くなった母・角替和枝さんに触れ、安藤が涙を浮かべる一幕もあった。
映画情報誌「キネマ旬報」主催により、1924年度(大正13年)に始まった歴史ある同アワード。『万引き家族』で3度目の主演女優賞を獲得した安藤と、『きみの鳥はうたえる』『素敵なダイナマイトスキャンダル』『ポルトの恋人たち ~時の記憶』の3作品で主演男優賞を初受賞した柄本。まずは安藤がマイクの前に立つも、「どうしよう。緊張しちゃって……」とタジタジ。それでも司会の笠井信輔アナウンサーにリードされ、「出産と共にでっかい何かを出したような、大らかな気持ちで現場にいられた」と、産後初となった『万引き家族』の撮影を回顧。「共演者・スタッフの方にこの場所に導いていただいた気持ちが強いです」と感無量の様子。
続く柄本も緊張気味で、「実感はない」としながらも「(受賞によって作品に関わる)周りの方が幸せになってくれて良かったと思っています」と笑顔。昨年10月に亡くなった母・角替和枝さんにも触れ、「会場は(文京)シビックホールだよと伝えたので、きっとどこかにいると思います」と会場を見渡した。
その言葉に思わず涙する安藤は、笠井アナから二人で並ぶように促されると、「もう一生ないからいい」と従い、涙声で柄本の受賞を喜んだ。柄本から「夫婦で泣いてる写真(が世に)出るぞ!」と注意されても、「ちゃんとしてなきゃいけないかなと思っていたけど、もう(こんな)お祭り騒ぎないからいいかなと思って」と素直な思いを吐露。さらに、柄本が笠井アナから夫婦受賞の喜びを尋ねられると、「こういうのはいいんです。男はどしっと構えていれば」と制して、観客の笑いをさらった。
その後、キネマ旬報最新号で二人が表紙になっていることが紹介されたり、安藤の父・奥田瑛二からの祝福メッセージが届けられたりすると、安藤は「ここまで来ると恥ずかしくなってくる」と照れ笑い。そして、「(キネマ旬報に)賄賂とか渡していません。そこまでお金ありません。正式な受賞であることを改めて報告させていただきます」と断言し、会場を爆笑の渦に包んだ。(取材:錦怜那)
「2018年 第92回キネマ旬報ベスト・テン」受賞結果一覧は下記の通り。
<作品>
日本映画ベスト・テン第1位『万引き家族』
外国映画ベスト・テン第1位『スリー・ビルボード』
文化映画ベスト・テン第1位『沖縄スパイ戦史』
読者選出日本映画ベスト・テン第1位『万引き家族』
読者選出外国映画ベスト・テン第1位『スリー・ビルボード』
<個人>
日本映画監督賞:瀬々敬久『菊とギロチン』『友罪』
日本映画脚本賞:相澤虎之助、瀬々敬久『菊とギロチン』
外国映画監督賞:マーティン・マクドナー『スリー・ビルボード』
主演女優賞:安藤サクラ『万引き家族』
主演男優賞:柄本佑『きみの鳥はうたえる』『素敵なダイナマイトスキャンダル』『ポルトの恋人たち ~時の記憶』
助演女優賞:木野花『愛しのアイリーン』
助演男優賞:松坂桃李『孤狼の血』
新人女優賞:木竜麻生『菊とギロチン』『鈴木家の嘘』
新人男優賞:寛 一 郎『菊とギロチン』
読者選出日本映画監督賞:是枝裕和『万引き家族』
読者選出外国映画監督賞:マーティン・マクドナー『スリー・ビルボード』
キネマ旬報読者賞:立川志らく 連載「立川志らくのシネマ徒然草」
特別賞:樹木希林