唐田えりか、誰かの人生を変えられる女優に!
女優の唐田えりかが8日、テアトル新宿で行われたオムニバス映画『21世紀の女の子』劇場公開記念舞台あいさつに、松井玲奈、日南響子、山戸結希監督、加藤綾佳監督、坂本ユカリ監督と共に出席。女優業への熱い思いを語った。
本作は、映画『溺れるナイフ』などの山戸監督が企画・プロデュース・共同監督を務めた短編オムニバス映画。80年代後半~90年代生まれの新進女性映画監督15人が集い、「自身のセクシャリティーあるいは、ジェンダーが揺らいだ瞬間」をテーマに8分以内の短編を製作した。
唐田は、山戸が監督を務めた『離ればなれの花々へ』で主演を務めたが、あて書きしたのかと思うぐらい脚本が自分の言葉に感じてきたというと「完成した作品を観て、言葉にならない涙があふれてきました」と言葉に詰まる。
さらに唐田は「この映画を観て、共感してくださったり、涙を流してくれる方がいるかもしれません。そういう映画になったということは、一人一人が作品に愛を込めたからだと思います」と熱弁をふるうと、これからの女優人生について「向き合う役、一つ一つに愛をこめて、みなさんの思いや人生を変えていけるような役者になります」と力強く宣言した。
本作は監督を務める15人が見つめるなか、2,000人を超える女優たちが、オーディションに臨み、それぞれの監督が主演女優を選ぶという形式がとられた。山戸監督は唐田がオーディションに登場したときに「こんなド天才がいるんだ」と感嘆したというと、坂本監督は「松井玲奈さんが会場に入ってきたとき、監督全員をちゃんと見つめていた。すごく強い人だと思った」と感想を述べた。
そんな坂本監督の発言に、松井は「わたしは潜在的に自分が持っている『女の子』を試されているような気がしたんです。緊張感とパワーを感じてとても楽しかった」とオーディションを振り返ると、坂本監督は「いつでもどこでも玲奈さんなんです」と松井のブレない強さを称賛していた。
山戸監督は、ここ20年のメジャー映画で女性が監督を務めた作品は3パーセントだという事実を述べ、「でも本当は映画監督は夜中に一人で地獄を見て涙を流したことがある女の子なら誰でも撮れるんです」と断言すると「だからこそ、過去の女の子への敬意と、いまの女の子への鼓舞、そして未来の女の子への挑発を込めて、この映画を作りました」と熱い思いを吐露した。(磯部正和)