佐藤健が選ばれる理由とは?『サムライマラソン』で魅せる演技
映画『サムライマラソン』(公開中)で主演を務める佐藤健。隠密であることを隠して生きる侍・唐沢甚内(からさわ・じんない)を熱演している。
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土橋章宏の小説「幕末まらそん侍」を基にした本作では、幕末を舞台に日本のマラソンの発祥といわれる「安政遠足(あんせいとおあし)」を題材にした物語が描かれる。迫る外国の脅威に備え安中藩主・板倉勝明は、十五里(約58キロメートル)の山道を走る遠足を開催。しかし、行き違いによりこの動きが幕府への反逆とみなされ、藩のとり潰しを狙う大老・五百鬼祐虎(いおき・すけとら)によって刺客が送り込まれる。
佐藤演じる甚内は、門脇麦ふんする妻・結衣や息子に隠密であることを隠して生活を送っていた。長い潜入生活で土地や家族への愛情が深まった甚内は、藩の危機が訪れたときに幕府か藩かどちらにつくか気持ちが揺れ動く。
今作のキャスティングは、演技に“伝える力”のある俳優であることが必須条件にあったとのこと。メガホンを取ったバーナード・ローズ監督は、日本語が理解できないため、セリフに頼らずアクションや映像で物語る作品を目指していた。さらに、主人公の甚内を演じる俳優には、多くの観客を惹きつけるスター性、表現力、高い身体能力が求められた。この条件すべてを兼ね備えている俳優として佐藤健の名前が挙がったという(映画公式サイトのプロダクションノートより)。
撮影現場でバーナード監督はアドリブを推奨。テストからカメラを回すなど、スタッフやキャスト陣を驚かせることも多く、佐藤は完成披露試写会で「独特の緊張感のなかで、即効性を求められてとても興奮する現場」だったことを明かしている。
甚内役の佐藤はドラマ「仮面ライダー電王」や、映画『るろうに剣心』『亜人』などで殺陣やアクションの経験が豊富。その経験を生かしたダイナミックなアクションを今回も披露している。平凡な侍のフリをしているが、いざというときは隠密としての力を発揮する佐藤の演技のふり幅に圧倒される。(編集部・梅山富美子)