「白い巨塔」岡田准一との共演は面白くてしょうがない!松山ケンイチが感服
ドラマ「白い巨塔」(テレビ朝日開局60周年記念・5夜連続ドラマスペシャル)で共演する俳優の岡田准一と松山ケンイチ。刊行から50年を経た今もなお愛され続ける不朽のベストセラーを映像化する本作への思いをはじめ、撮影やお互いの芝居に対する印象などについて語り合った。
財前五郎と美しき愛人・花森ケイ子(岡田准一&沢尻エリカ)【画像】
作家・山崎豊子の最高傑作との呼び声も高い同名小説を原作とする医療ドラマの金字塔「白い巨塔」。昭和、平成と時代ごとに映像化されてきた作品だが、令和を迎えて新たな布陣による新ドラマが放送されることが決定した。今作では時代を2019年に設定し、目覚ましい進歩と変化を遂げた現代の医学界もフォロー。これまで田宮二郎、村上弘明、唐沢寿明らが務めてきた主人公の外科医・財前五郎役に岡田が挑む。松山は財前の同期でライバルの内科医・里見脩二を演じる。
同役のオファーを受けた際のことを振り返って「いやいや、ムリムリ、と。俺で『白い巨塔』を?」と笑う岡田。「でも、やると決めたからには、面白いやりがいのある役なので、味わい尽くそうかなと今は思っています」と力強く語る。財前のライバル・里見役の松山も「現代に『白い巨塔』をやるのは、きっと普遍的なものがあるからだろうなと思っています。ただ自分が里見役をやるのに、(過去の)田村高廣さんや江口洋介さんを越えられないのはわかっていましたので、比較するのではなく好きなようにやろうと思いました」と続けた。
そんな松山ふんする里見は、教授の座を射止めるため野心を燃やす財前に対して、出世には関心がなく患者を診ることと自身の研究に心血を注ぐという対照的な役どころ。松山は「僕の演技としても、岡田さんのパワーに対してサンドバッグにならないと、と思っていた。邪魔したくないなというのがあったんですよね」と述懐。岡田も「やはり財前というのは圧が強い役なので、松山さんに調整してもらったなという気がします。自分がこう動けば松山さんはこう動くというふうに、鏡のように反射してお芝居することもありました」と振り返った。
さらに松山は「岡田さんの演技はパワーもあるし、繊細な部分もあって演技も細かい。僕は役者として岡田さんの芝居を見るわけですから、面白くてしょうがない。ある意味、ストーリーより面白い。『海賊とよばれた男』を観てもらえれば、年齢に合わせてどのタイミングで声を変えるのか、どういう芝居をしているのか細かいところがわかる。でも一回観ただけじゃわからないし、僕も発見できていない部分もある。きっと岡田さんも『自分にしか分からないだろうな』と思いながらやっているんじゃないかなとか、発見できる喜びがあるんです」。
それに対して「僕も(松山が)もともと好きな俳優さんなんですよ」と返した岡田。「『関ヶ原』で一場面だけ一緒に出させてもらったのですが、楽しかった。細かい芝居ということでいうと、松山さんのほうが細かい芝居をしている。あの映画でも、田舎侍を表現するために、袴をちょっと短くしているのですが、引き画だから誰も気づかない。そういうことをやる人だから今回の撮影も楽しかった」と満足そうな表情を浮かべる。
松山は「僕は岡田さんとやらせていただくときは、細かくやらせてもらおうかなと思いました。岡田さんって全部ムチャぶりでやっても返してくれそうな気がするんです」と返すなど、互いに全幅の信頼を寄せ合っている様子だった。(取材・文:壬生智裕)
ドラマスペシャル「白い巨塔」は5月22日より5夜連続で夜9時より放送予定