「いだてん」新キャスト発表 菅原小春が初演技で初大河
放送中のNHK大河ドラマ「いだてん ~東京オリムピック噺(ばなし)~」(総合・日曜20時~ほか)の新キャストが5日に発表され、寺島しのぶ、黒島結菜、菅原小春、板尾創路、夏帆、柄本佑、イッセー尾形の出演が明らかになった。
宮藤官九郎の脚本による本作は、日本人として初めてオリンピックに出場したマラソンランナー・金栗四三(中村勘九郎)と、東京オリンピック招致に尽力した田畑政治(阿部サダヲ)を主人公に、知られざるオリンピックの歴史を描く物語。新キャストは大正時代に突入する新章から登場し、この日、NHK放送センターで行われた取材会には寺島、黒島、菅原、柄本と主演の中村が出席した。
寺島は日本に女子体育を普及させた第一人者・二階堂トクヨを演じる。「男尊女卑が激しい中、女子としてしっかり立っていらっしゃった方で、怒鳴ってばかりで終わってしまうような撮影のある、とても元気のよい役。気持ちよくやらせていただいています」と役柄を紹介。
黒島は四三とシマ(杉咲花)が教える名門・東京府立第二高等女学校の生徒・村田富江役で、NHKの土曜時代ドラマ「アシガール」に続いて「走る」演技を披露する。ドラマで中村が走る姿を見て「すごく素晴らしい走りをされていて、かっこいいなって思っていた」と感想を述べ、「今回走る役と聞いて、嬉しかった」とにっこり。
菅原は日本人女性初のオリンピック選手・人見絹枝役。「わたしは普段、踊りを踊っていまして、今回初めてお芝居をさせていただきます」。踊りを通じて感じたコンプレックスが人見と通じるところがあるといい、「人見に共感できる」と語った。
柄本は日本橋の百貨店で働くシマの夫・増野役。「俺だけ苗字だけの役で、台本読んで、みなさん一人ひとりが濃厚豚骨ラーメンで味が濃い中、わりとあっさりしょうゆな感じ。普通のタイプの男性の役。個性の強い面々の中、あっさり立てたら」と笑顔で意気込んだ。
登壇のなかった板尾は富江の父で浅草の開業医・村田大作、夏帆は美濃部孝蔵(森山未來)の妻・清水りん、イッセーは東京市長・永田秀次郎を演じる。
会見ではドラマの印象も話題となり、第1回から観ているという寺島は「宮藤さんならではのスピーディーな展開の物語で、見るうちにだんだん細かいところもわかってくるという感じ。万人受けする内容ではないかもしれないけど……」と言ったところで、現場の関係者からツッコミを受ける場面も。視聴率の低迷が報じられる中、制作統括の訓覇圭は会見後の囲み取材で「いろいろと制作に携わってきて手応えはある。話がわかりにくいとも思わない。これからを見てほしい」とネガティブな見方を一蹴した。(取材・文:名鹿祥史)