『トランスフォーマー』シリーズ新作は2本進行中 プロデューサーの展望
映画『トランスフォーマー』シリーズをはじめ、数々の大ヒット映画に携わってきた映画プロデューサーのロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラが、最新作『バンブルビー』の成功と、シリーズの今後について語った。
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1987年を舞台に、地球に降り立ったばかりの金属生命体バンブルビーと、孤独を抱える少女チャーリーの絆を描く本作。監督に『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』など良質なストップモーションアニメで知られるスタジオ・ライカのトラヴィス・ナイトを抜擢。トランスフォーマーのデザインは1980年代のアニメ版に近いものへ変更され、主人公も18歳の普通の少女へと変更された。
マイケル・ベイ版からの大幅な方針転換は、ビジネス的な観点から「冒険だった」というロレンツォ。しかし本作は、日本を除く全世界興行収入が約4億6,000万ドル(約506億円)を記録。バンブルビーと少女の友情を描いたドラマも、高く評価された。「シリーズ作品のファンには、おなじみの要素と同時に、何か新鮮なものが観たいという、矛盾する要求があるものです。それを同時に満たすことができた、素晴らしいチャレンジだったと思っています」
5作目の『トランスフォーマー/最後の騎士王』(2017)が、シリーズ最低の興行収入を記録したこともあり、本作の公開前には、継続を危惧する報道もあった『トランスフォーマー』シリーズ。しかしロレンツォは、本編と『バンブルビー』の続編、少なくとも2本の脚本作業が進行中だと語る。「さらにシリーズの世界を広げたいと考えていますが、難しいのはどれをやるのかの見極めです。例えば、私たちは多くのファンが『ビーストウォーズ』を愛してくれていることを知っています。しかし、実際に映画にやるとなると、製作費の面から難しかったりするんです」。
マイケル・ベイが手掛けた過去5作のシリーズ以前の物語が語られる本作。『ハリー・ポッター』に対する『ファンタスティック・ビースト』シリーズのように、昨今の映画界で前日譚(たん)が流行する理由について、ボナヴェンチュラはこう語る。「まず、監督たちは、よりクリエイティブ上の自由を得られます。続編の場合、過去のつながりであったりとか、しばられるものがあまりに多くなるし、同じことの繰り返しでは観客も飽きてしまいますからね」
ボナヴェンチュラは現在、大ヒット刑事アクション『ダイハード』の続編にも携わる。「私も『ダイ・ハード』は大好きなんです。5作目の『ダイ・ハード/ラスト・デイ』(2012)の出来を見て、あれでシリーズを終わらせたくないと思ったから、かかわることにしました」。同作も、主人公ジョン・マクレーンの過去を描くと報じられているが「それは少し違う。次は、前日譚と続編が同時に進行する映画になりますよ!」と自信の笑みを浮かべた。(数字は Box Office Mojo 調べ、1ドル110円計算)(編集部・入倉功一)