「ハゲタカ」外伝の原作者、テレ東に驚き「こんな地味な小説を…」
俳優の玉木宏が12日、都内で行われたテレビ東京の主演ドラマ「スパイラル~町工場の奇跡~」(4月 15日スタート、毎週月曜夜10時~)第1話試写会&記者会見に出席。原作者の真山仁が「こんな地味な小説」と苦笑する原作をもとにしているが、玉木は和気あいあいとした撮影現場の様子を紹介しながら、ドラマに自信をのぞかせた。この日は、貫地谷しほり、戸塚純貴、眞島秀和、真矢ミキ、國村隼も来場した。
本作は、累計260万部を超える真山のベストセラー「ハゲタカ」シリーズのスピンオフ作品「ハゲタカ4.5/スパイラル」に基づくヒューマンドラマ。倒産危機に陥った下町の町工場を、銀行員から転身した1人の企業再生家が再建していく軌跡を追う。
テレビ東京連続ドラマ初主演の玉木は、演じる芝野健夫役に「(劇中では)企業再生家として(中小メーカー)マジテックを支える人間ですが、現場では僕自身が個性豊かな面々に支えられながら撮影しております」と報告。特に、亡き恩人の娘・浅子役の貫地谷について「正直な人で、目に見えたこと、思ったことをすぐに口に出す。それが彼女の明るさ」と褒めつつ、「その一言によって話(コミュニケーション)が始まるので助けられています」と感謝した。
現在、現場では空前のけん玉ブームが到来中で、玉木は格別に上手いという共演者の福士誠治にライバル心を燃やし、メキメキと上達したとか。貫地谷は「とんでもない身体能力だから習得が早すぎ」と舌を巻くと、玉木も「すぐにインターネットで買いました」とどっぷりはまっていることを明かしていた。
そんな玉木と真山は2016年、2017年に同局で放送されたドラマ「巨悪は眠らせない」シリーズ以来3度目のタッグ。真山は「よく、こんな地味な小説をドラマ化するな。そういうのばかり選ぶよねテレ東は。(やっぱり)来たかと思いました」と苦笑い。さらに、前シリーズでは特捜検事役だった玉木に対して、「(今回は)油まみれになるの? とヒヤヒヤだった」と役の変貌ぶりにいささかの不安があったことも打ち明けた。
しかし、現場を見学した真山は「俳優の方に失礼だった」と反省。また、和気あいあいとした様子を見て、「これまでは撮影前からバチバチしていないと対立構図ができない酷い作品ばかりだったけど、初めて、みんなが心でしゃべっていて、人が一生懸命にやれば濃厚(な人間関係)になっていく、昭和の懐かしさを感じた」と吐露。そして、「人は信じません、人は裏切ります、約束は破ります、というのがわたしの小説なので、そういう意味では、たまにはいい小説も書いていたのかもしれない」と満足そうに語ると、玉木も「地に足がついた希望を持てる作品になっています」と自信を持ってアピールしていた。(取材:錦怜那)
ドラマBiz「スパイラル~町工場の奇跡~」は4月15日より毎週月曜夜10時~テレビ東京系で放送