『キングダム』佐藤信介監督、山崎賢人は「スマートで熱量の高い人」
映画『キングダム』(4月19日公開)のメガホンを取った佐藤信介監督が16日、日本外国特派員協会にて会見を行い、主演を務めた山崎賢人の魅力や、中国クルーとの共同撮影のメリットなどを語った。
本作は、原泰久の大人気漫画を実写映画化したもの。中国春秋戦国時代を舞台に、戦災孤児で奴隷の少年・信(山崎)と、若き王・エイ政(吉沢亮)が、大きな目標に向かって激しい戦いを繰り広げる姿を描く。
佐藤監督は、映画『アイアムアヒーロー』を撮影した際、韓国クルーとコラボして作品を完成させた経験を持つが、本作では大掛かりな中国ロケを敢行し、現地スタッフと共に壮大な世界観の作品を作り上げた。
佐藤監督は「『キングダム』は中国紀元前の物語。中国で撮影を行うのは自然の流れだった」と語ると、コミュニケーションの問題もあり、最初は不安もあったというが「いまや中国は映画大国。スキルの高い人たちとの撮影で、すべての工程で良いコラボができました」と満足そうな表情を浮かべた。
これまで『GANTZ』や『デスノート Light up the NEW world』など数々の漫画原作の実写化作品で結果を残してきた佐藤監督。外国人記者から人気漫画の実写化を成功させる秘訣を問われると、苦笑いを浮かべつつ「漫画にフィットさせようとか、原作の通りに描こうという意識よりも、映画にしたときの醍醐味を常に考えながらやっています。それはオリジナル映画を作るときと同じです」と語る。
続けて、一番の理想としているのは、原作ファンが実写映画を観たとき「ビックリする」感覚であり、なぜ実写化する必要があったのか理解してもらえること、そして原作をまったく知らない人が観ても「面白い」と思えることだという。
主演の山崎について問われると、佐藤監督は「今回の役は、これまでの山崎さんとは全然違うキャラクター」と前置きし、「そのなかで役柄を作っていくのは大変な作業でしたが、スマートで熱量の高い人だったので、たくさん話し合いをしながら構築していきました。まるで昔からこういう役をやっているかと思うぐらい馴染んでいきました」と山崎の役づくりに太鼓判を押していた。
さらに、原作のなかでも非常に人気が高い王騎将軍(大沢たかお)について、佐藤監督は「すごく力を入れた。いい塩梅に仕上がっています」と語ると、キャスティングや風貌、メイクや鎧の細部まで注意を払って作り上げた自信作であることを明かしていた。(磯部正和)