橋本環奈『キングダム』河了貂役で見せた絶妙さ
原泰久のベストセラーコミックを山崎賢人主演で実写映画化した『キングダム』(4月19日公開)で人気キャラクター河了貂を演じたのは橋本環奈。マンガ好きで元々原作のファンだったという橋本が本作の撮影について語った。
映画『キングダム』は、中国の春秋戦国時代を舞台に、天下の大将軍を夢見る少年・信(山崎)と、中華統一をもくろむ若い王・エイ政(吉沢亮)の運命を映しだす作品。河了貂は不思議な蓑をかぶった山民族の末裔というキャラクターで、信とエイ政に出会った河了貂は戦いに身を投じていくこととなる。
河了貂役のオファーを受けた時、「大の原作ファンとしては実写化については懐疑的な思いでした」と笑う橋本。それでも「オファーを受けたからには本気でやりたいと思いました。撮影が始まってみると不安は安心に変わりました。撮影のスケールの桁違いさに、このスケールなら大丈夫と思えたんです。今はCGで撮ることもできる時代ですが、大きなセットをみんなで一緒に見ることで、共通の『圧倒される感覚』があったと思います」と続けた。
おなじくマンガ原作の『銀魂』シリーズをはじめ、数多くの映画で経験を積んできた橋本には撮影現場でキャスト・スタッフが何を感じているか、何を感じるべきかがわかっていた様子。その上で、自身は原作で高い人気を誇る河了貂に向き合っていた。
「原作では河了貂は男に間違えられるという描写がありますが、映画ではその要素がありません。(観る人は)私が演じるから女の子だとわかっています。原作からその要素を取り除いた分、より、河了貂に寄せていかないといけないと思い、『男っぽさ』『ガキっぽさ』意味のないところで信と張り合う部分や、雑な口調など、『少年っぽさ』をすごく意識しました。立ち方も少しガニ股にしてみたりとか。原作で表情をコロコロと変える河了貂を見て、映画の中でも、河了貂っぽい表情を意識しました」
「男くさい部分も多い原作の中で、いい意味でちょっと『気が抜ける』というバランスを保っているのは河了貂なんじゃないかと思います。河了貂のちょっとしたエッセンスが原作の中にあるのを、映画でもなくしたくありませんでした。でもそれを狙いすぎるとやりすぎになってしまう。主軸にはおかず、全体的にそうなればいいなという淡い思いを持ちながら、お芝居をしていました」
役柄についてとことん掘り下げ、分析し、その答えを絶妙に出しながら河了貂を演じた橋本環奈。完成作を観て「とにかくよくできていて面白かったです! 自信を持ってお勧めできます。原作のファンの人に観てほしいです。もちろん原作のファンじゃない人も楽しめると思いますし、普段はそう言うことが多いのですが、この作品は原作のファン、原作が好きな人たちに観てもらいたいなって思います」と胸を張っていた。(山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記)(編集部・海江田宗)