待望のシリーズ最新作『X-MEN:ダーク・フェニックス』主演女優を直撃!
1963年にマーベルコミックスに登場して以来、長きにわたって世界中の人々に愛されてきたヒーローチーム、X-MEN。その原作コミックの中でも最も重要視されてきた「ダーク・フェニックス サーガ」に基づいた、シリーズ待望の新作『X-MEN:ダーク・フェニックス』(6月21日 日本公開)について、HBOの大ヒットドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」で名をはせ、本作で主役を務めたソフィー・ターナーがインタビューに応じた。
前作『X-MEN:アポカリプス』でX-MENは、サイコキネシスとテレパシーの使い手ジーン・グレイ(ソフィー)の活躍で、並外れた力を持ったミュータントのアポカリプスを倒した。本作はそれから10年後という設定。宇宙でのミッション中に発生した事故によってジーンが封じ込めていた邪悪な別人格ダーク・フェニックスが解き放たれる。やがて彼女は制御不能に陥り、世界は滅亡の危機に直面する。サイモン・キンバーグが監督を務めた。
今作の魅力は、「ゲーム・オブ・スローンズ」でも評価されたソフィーが、ジーン・グレイとダーク・フェニックスの二役を演じていること。キンバーグ監督もソフィーに全幅の信頼を寄せていたそうだが「それだけでも名誉なことだったわ。『X-MEN』シリーズのファンは、それぞれのキャラクターにとても情熱を持っているの。だから、できる限りキャラクターを的確に演じようと考えていたわ。もちろん、演じることにかなりのプレッシャーはあって、撮影前にはおびえていた時もあったくらいよ。でも誰もが、素晴らしい仕事をしていたと思うの。キャストは皆、人々が愛するストーリーをキャラクターの良さを引き出して演じていたわ」とソフィー。チームの結集した力が素晴らしい作品を生み出したようだ。
具体的な役作りについては「キンバーグ監督とわたしは、撮影6か月前から連絡を取り合い、多くの『X-MEN』シリーズに関する資料を学んでいったの。その中でも、特に精神障害に関して学び、統合失調症や解離性同一性障害などについても学んだわ。ジーン・グレイは二重人格なため、キャラクターを演じる上で、それらの資料が基盤になったの」と説明。統合失調症で幻覚に陥ると、どのような状態になるのか、インターネットの動画などでも確かめ、ジーン・グレイの精神状態に、できる限り近づけようとしていったそうだ。
また、肉体的なアプローチについては「『X-MEN』シリーズに関わっている主要キャストにはトレーナーがいて、撮影前までずっと毎日、ワークアウトをしていたの。十分トレーニングしたことで、わたし自身は撮影中に身体がパワフルに感じられたり、エネルギッシュにもなったりして、まるでスーパーヒーローのような感覚にもなれたから、精神的な面でも役に立ったと思うわ。セットにも『トレーラージム』と呼ばれる場所があって、ランチブレイクにバーベルを挙げたりしていたのよ」と徹底的な肉体づくりをキャスト陣がこなしていたことを明かした。
これまで脚本兼製作を務め、同シリーズのブレイン(頭脳)として評価されてきたキンバーグ監督が、ついに初メガホンを取った今作。ソフィーは、初監督とは思えない彼の演出ぶりに感心したそうで「長年この『X-MEN』シリーズに関わり、隅から隅まで熟知していたキンバーグ監督との仕事は、わたしが今まで出演した作品の中でもベストな体験になったと思うわ。彼にとっては今作が初監督だけど、驚くほど俳優と良好な関係が保たれていたの。脚本家や製作者よりもむしろ監督が向いていると思うし、監督の世界でより成長していくと思うわ。俳優にとても協力的で、撮影前のリハーサルでも、わたしが彼に渡したメモによって、その場で脚本のせりふや演技を変えてくれたこともあったのよ」と振り返った。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)