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チェルノブイリ原発事故を描いたテレビシリーズ、主演俳優が明かす

難役に挑んだジャレッド・ハリス
難役に挑んだジャレッド・ハリス

 映画『コードネーム U.N.C.L.E.』、テレビシリーズ「ザ・クラウン」のジャレッド・ハリスが、主演を務めたHBOの新作テレビミニシリーズ「チェルノブイリ(原題)/ Chernobyl」について、4月23日(現地時間)、ニューヨークのAOL開催イベントで語った。

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 1986年4月26日、ソビエト連邦(現ウクライナ)のチェルノブイリ原子力発電所4号炉で起きた事故は、未曾有の人的被害をもたらした世界最悪の原発事故となった。そんな悪夢ともいえる悲劇の真相を突き止めるために、政府から派遣された科学者ヴァレリー・レガソフ(ジャレッド)が、原発事故の調査委員会責任者として立ち上がる。ステラン・スカルスガルドエミリー・ワトソンらが脇を固め、テレビシリーズ「ブレイキング・バッド」のエピソード監督ヨハン・レンクがメガホンを取った。

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 演じた科学者のヴァレリーについて、ジャレッドは「ヴァレリーは実在した人物で、(チェルノブイリ原子力発電所で)何が起きたのか、どれくらい悪い状態にあるのか、そしていかにこの状態から復興していくのか、(原発事故の調査委員会責任者として)それらすべてに責任を持つことになるんだ。いかに復興していくかは、当時とても難しい問題だったよ。あの地で、あの時まで過去に原発事故はなかったし、周りの地域に放射性物質を放出していたため、原発事故後の復興のための詳細な計画が練られていなかったからね。そして、彼はある意味、ギリシャ神話のトロイのカサンドラ(凶事の預言者)みたいになってしまうんだ。原発事故の調査委員会責任者として真実を提供するものの、それは一般の人たちにとっては、聞きたくない情報でもあるからね」と説明した。

 劇中では、核分裂反応について説明するシーンがあるが、核についてはどの程度勉強して今作に臨んだのだろうか。「当然、自分がスピーチしていることに関しては、把握していなければいけない。でも僕は俳優で、科学や物理学、数学などに関しては、それほど優れていたわけではないからね。幸運にも、脚本家のクレイグ・メイジンは、僕が勉強して、把握しやすいように脚本を書いてくれていたんだ。最終的には、自分が話している内容全てを理解できるくらいにはなっていたよ。原子炉がいかに機能するかも把握していたし、チェルノブイリ原子力発電所であの日何が起きたのかを、説明できるくらいにはなっていたね」と演技に自信をのぞかせた。

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 ステランやエミリーとの共演については「二人とも素晴らしい人たちだったよ。ステランとエミリーは、映画『奇跡の海』で共演していて、二人にはすでに強い絆があったしね。ステランはとても面白い人で、セットでは素晴らしい態度でスタッフに接していた。エミリーも素晴らしいユーモアのセンスを持っていて、そんなユーモアが今作のような原発事故後に対応するという重苦しい設定の中では必要だったんだ。僕は(役柄上)ジョークを言えなかったから、『冗談がなかったら、愛もない』と言って、ジョークを要求していたくらいだよ」と振り返った。撮影中には2018年FIFA ワールドカップ ロシア大会が行われており、スウェーデン出身のステランとイギリス出身のジャレッドは、スウェーデン対イングランド戦を共に鑑賞したそうだ。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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