『ゼロの執行人』安室透の正体&製作の裏側を振り返り!
映画『名探偵コナン ゼロの執行人(しっこうにん)』(2018)が、日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」で今夜(26日・21時~)テレビ初放送されるのに際し、本作でメインキャラクターを務めた安室透の正体と、製作の裏側を振り返る。
劇場版『名探偵コナン』22作目にして、シリーズ最高の興行収入91.8億円を記録した本作。劇場版アニメでは、2016年公開の20作目『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』に続き、安室が再びメインキャラクターとして描かれた。
私立探偵兼・喫茶ポアロのアルバイト店員である安室透、腕利きの探り屋と称される黒ずくめの組織の構成員・バーボン、全国の公安警察を操る警察庁の秘密組織・通称「ゼロ」に所属する降谷零という3つの顔を持つ謎多き男。公安警察官の降谷が正体であり、強い信念を胸に秘めている。
安室は褐色の肌と明るい色の髪を持つイケメンであるうえに、テニスやギター、料理、ボクシングなど特技にあふれる多才な人物。無敵に見えるが、実はFBI捜査官の赤井秀一とは因縁があり、執念が強いあまり赤井の前でだけは冷静さを失ってしまうことも。『純黒の悪夢』では安室が赤井を前に感情をあらわにしており、『ゼロの執行人』の彼とは大きく異なる印象を与える。そんなギャップもファンの心をつかむ理由かもしれない。
声優を担当しているのは「機動戦士ガンダム」アムロ・レイ役などで知られる古谷徹。アニメでは特に、演じ分けられた安室の3つの顔それぞれの声音は注目すべきポイント。主に降谷零の顔が登場する『ゼロの執行人』では、「大人の男のしたたかさと色気」をテーマにアフレコに臨んだという。完成披露舞台あいさつの場では、自分が男性であるがゆえに魅力的な“男の色気”をとらえるのが難しく、非常に苦労したと明かしていた。
また、昨年6月にデジタルハリウッド大学で開かれた本作の裏側を明かす公開講座では、立川譲監督と、諏訪道彦プロデューサーによって企画の成り立ちが語られた。安室や赤井が活躍し、黒ずくめの組織との交戦が描かれた20作目『純黒の悪夢』の高い評価が、22作目『ゼロの執行人』で安室のストーリーを描くことにつながっていったという。
その際、立川監督はこの映画のテーマに、「真実はひとつ」という言葉と「正義はひとつじゃない」ということを挙げつつ、「今回は安室とコナンが軸で、コナンは光、安室は闇として描くという対比構造を作るようにした」と解説。海辺の電話ボックスで安室が朝日を見ているシーンを例に、「朝日がコナンを象徴していて、安室はそれに照らされるんです」と語っていた。
『ゼロの執行人』の物語は、東京サミットが開催される東京湾の新施設、エッジ・オブ・オーシャンで爆破事件が起こることから始まる。事件の真相を追うコナンが、不可解な動きを見せる安室に振り回されながらも、逮捕された毛利小五郎の無実を証明しようと奮闘する。(編集部・小山美咲)