「集団左遷!!」の福山雅治がとにかくアツい!
日曜劇場「集団左遷!!」(TBS系、毎週日曜夜9時~)でサラリーマンを演じるシンガーソングライター、俳優の福山雅治。ドラマ「ガリレオ」シリーズの物理学者や映画『三度目の殺人』の弁護士役などクールなキャラクターを多く演じてきた彼が、初の銀行員役で「かっこよさ」を封印した熱演を見せている。
「僕は18歳の頃5か月間だけ会社員をやったことがあるのですが、正直その頃は組織のなんたるかということや、上司・部下の関係性だったり、その人間模様を深くは理解出来てなかったと思います」と、ドラマ公式サイトのインタビューで答えている福山。初の日曜劇場主演。江波戸哲夫の小説「銀行支店長」「集団左遷」に基づく本作で演じるのは、大手銀行に勤務する片岡洋(かたおか・ひろし)。
50歳を目前に「蒲田支店」支店長への昇任人事を受け喜ぶも、本部・常務取締役人事担当の横山輝生(三上博史)から突き付けられたのは「蒲田支店は廃店が決まっているので頑張らなくていい。無事廃店の際には本部に戻し優遇する」という理不尽な現実。怒り心頭の片岡が、横山に「半年で融資額プラス100億円を達成したら廃店を撤回してほしい」と直訴したことから、蒲田支店の無謀な戦いが幕を開ける。
本作ではくるくると表情を変えてハイテンションな演技を貫き、時に土下座したり水をかけられたりとぶざまな姿も見せる福山。オフィシャルインタビューでは片岡という男を映画『ロッキー』シリーズのボクサー、ロッキー・バルボアにたとえ「最後はロッキーのように、気づけば走っているロッキーの後をみんなが付いてきてくれるようになると嬉しいです」としている。
その言葉通り、ことあるごとに負け戦を「頑張るぞ!」と熱意で乗り切ろうとする片岡に、当初は冷ややかだった副支店長の真山(香川照之)やエリートの滝川(神木隆之介)らが少なからずの影響を受け、社員同士に結束が生まれていく過程が見ものだ。
また片岡の熱血ぶりを表すのに効果的なのが、随所に挿入された走るシーン。ドラマの試写会舞台挨拶では「トム・クルーズもやっているんだから」と、あざや筋肉痛に耐え激しいアクションにも挑んでいることを明かし、第1話では走る車にしがみつくハードなシーンも披露した。「さあ頑張ろうぜ!」のフレーズでおなじみ、エレファントカシマシのテーマソング「俺たちの明日」も片岡のキャラクターにばっちりハマっている。(編集部・石井百合子)