『007』新作のイケメン監督、北海道で英語を教えていた過去
映画『007』シリーズ最新作となる第25弾でメガホンを取るキャリー・フクナガ監督が電話インタビューに応じ、作品に参加することになった経緯や、日本との関わりについて語った。
ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを演じるのはこれが最後と言われているシリーズ第25弾。一度は『トレインスポッティング』などのダニー・ボイルが監督として発表されたが、昨年8月、「創作上の意見の違い」を理由に降板。翌月、『ビースト・オブ・ノー・ネーション』やテレビドラマ「TRUE DETECTIVE/二人の刑事」のフクナガ監督の就任が発表されていた。
フクナガ監督は「2年くらい前に、この映画のことで話したいと言われ、バーバラ・ブロッコリ(『007』シリーズのプロデューサー)と会っていたんだ。それで(ボイル監督の降板で)また僕が候補になって、ディスカッションを始めて、仕事を得るに至った感じ」と数年前にプロデューサーから接触があったと説明。「昨年9月からは120%、フルタイムでストーリーに取り組んでいる。とても大変な仕事だ。このフランチャイズと、特にダニエル・クレイグにとって重要な作品だし、前作の公開から5年も空くから人々の期待値も高い。ボンド映画ではキャラクターとストーリーを興味深く、新鮮で、驚きのあるものにしないといけないから」と人気シリーズを手掛ける重責を語る。
インタビューは3日後に撮影開始という時(4月25日)に行われたが、「一つ一つのシーンをオリジナルでユニークなものにする」ため、脚本には現在進行形で手が加えられているという。本作をダニエル版ボンドシリーズの完結編として制作しているのかという質問には、「そう考えたいが、現時点では、何においても『ストーリーが何を必要としているのか』ということを重視している」と回答、脚本家たちとキャラクター、ストーリーについて話し合いを重ねていると続けた。
ボンドの前に立ちはだかる悪役は、『ボヘミアン・ラプソディ』のオスカー俳優ラミ・マレック。フクナガ監督は「ラミは素晴らしい俳優。記憶に残るようなものにしたいと思っている」と展望を語り、レア・セドゥがマドレーヌ・スワン役でボンドガールを続投することになった理由については「僕たちは前作で彼女のことを少し知っただけだった。彼女についてもっと語るべきことがあると思ったんだ」と説明した。
『007』シリーズで初の日系アメリカ人監督となったフクナガ監督は、20代初めに日本に住んでいたこともある。「そうなんだ。北海道で6か月過ごした。主にスノーボードをするためにね。あと英語とフランス語を教えていた」といい、「(本作のプロモーションでまた日本に)戻りたいよ(笑)。昨年は日本で新年を迎えたんだ。日本にはまだ行ったことがない場所がたくさんあるけど、いろいろ行ってみたい。たくさんの素晴らしいロケーションやレストランがあるから。いつか映画を撮りたいとも思っているんだ」と日本を題材にした胸に秘めた企画があると明かしていた。(編集部・市川遥)
映画『007』第25弾は2020年に日本公開