北村一輝『アラジン』自分消して挑んだジャファーの吹替
実写版『アラジン』(6月7日公開)のプレミアム吹替版で邪悪な大臣ジャファーの声を担当した俳優の北村一輝が取材に応じ、「自分は消して」挑んだという本作について語った。
『アラジン』は貧しくも清い心を持った青年アラジンと、王女ジャスミンの身分違いのラブロマンス、そして3つの願いを叶える力を持つ魔人ジーニーが宿る魔法のランプに関わる冒険を描いている。北村が日本語版の声を務めたジャファーは、砂漠に囲まれたアグラバー王国の国務大臣。王国を乗っ取ろうと企む邪悪な大臣で、オランダ人俳優のマーワン・ケンザリが演じている。
オファーを受けた際には「まさかあのジャファーを!」と驚きつつも、「嬉しさが一番だった」という北村。ジャファーはディズニーのヴィラン(悪役)の中でも特に人気のキャラクターだ。だが今回のジャファーはアニメーション版と比較すると「見た目も若くアニメーションのジャファーとはイメージの違いがあり『おっと』と思いました」と少し戸惑いはあったという。
「吹替の仕事は自分を出すというより、彼が演じているジャファーの感情に声を乗せる。そのお芝居にあわせた声での演技」と北村は説明する。「(吹替の中で)自分は消しています。自身でジャファーのイメージを持っていたりもしましたが、それを出すということではなかった」と北村。
「(アニメーション版の)ジャファーのイメージがみなさんの中にあるとは思いますが、それとは違った新たなジャファーの魅力が伝わればいいなと思っていました。新しいジャファー像が観客の方になるべく伝わるようにしたかった。観ていて違和感があったら一番嫌ですので、そこは考えながらやりました」と紹介した。
「アドリブはまったくなく、一語一句、息継ぎまで忠実です」と振り返る状況の中で、ジャファーに対して誠実に向き合った北村。取材の最後、リスペクトを込めて山寺宏一が担ったジーニーを引き合いに出し「吹替版でもぜひ観ていただきたいです。ジーニーはもちろんですが、ジャファーもいいですよ!」と笑顔でメッセージを送っていた。(編集部・海江田宗)