黒沢清監督、前田敦子の演技力に感心…挑戦的な演出も「難なくできた」
女優の前田敦子が15日、都内で行われた主演映画『旅のおわり世界のはじまり』公開記念舞台あいさつに登壇。黒沢清監督からその演技力を称賛された。この日は、加瀬亮、染谷将太、柄本時生、アジズ・ラジャボフのほか、ウズベキスタン駐日大使ガイラト・ガニエヴィチ・ファジーロフも来場し、前田と黒沢監督に花束を贈呈した。
“舞台で歌う”という夢への情熱を胸に秘めたテレビリポーターの主人公(前田)が、番組のクルー(加瀬、染谷、柄本)と取材のためにウズベキスタンを訪れ、異国での様々な出会いによって成長していく姿を描いた本作。
ウズベキスタンの国民的俳優を迎えての舞台あいさつに、前田は「アジズさんもわざわざきてくださって、すごく素敵な初日が迎えられて本当にうれしいです」と笑顔。しかし、撮影は過酷な場面もあったようで、劇中に登場する“危ない遊具”について、前田は「間違えて4回乗ってしまって大変なことになりました」と告白。加瀬は「テストで前田さんが乗ったときに、すごい顔をして降りてきて涙が止まらない様子だったので、大げさだなと思った」とぶっちゃけ。前田から「ひどい!(笑)」と抗議されると、「(僕も)乗ったら、1回で十分という感じでした」と苦笑いしていた。
また、LINEのメッセージを表現する際、よくある手法としてはスクリーンに文字として映すのだが、今回は前田が声に出して読むという挑戦的な演出がされている。それに関して、前田は「最初、後から声(だけ)を録るのかなと思ったら、初日に(スタッフから)『覚えてきてくださいと(監督から)言われています』と伝えられ、大変と思った」と回顧。だが、常々「監督が言うのであればすべてやるしかない」と思っているそうで、「特に何も疑問はなくやりました」と語った。
黒沢監督は「相手がLINEに書いてきたことも、自分が書いたことも全部を声に出して説明してくれとお願いしたら、難なくやってくれました」とその時の様子を紹介。「演劇だと、いろんな設定を台詞で全部説明するシチュエーションがある」とし、「演劇をかなり経験されていらっしゃるので、難なくできたんだと思いました」と前田の演技力に舌を巻いていた。(取材:錦怜那)
映画『旅のおわり世界のはじまり』は全国公開中