俳優・高島忠夫さん死去 政宏・政伸兄弟コメント「穏やかに旅立ち」
俳優の高島忠夫さんが、26日に老衰のため自宅にて亡くなった。享年88歳。28日、所属事務所の東宝芸能がマスコミ向けのFAXで発表した。
所属事務所では「弊社俳優 高島忠夫は、老衰のため、6月26日13時01分に、自宅にて永眠いたしました」と発表。通夜・葬儀告別式については、妻・寿美花代（すみ はなよ）さんの「最期は家族で見送りたい」という希望により、6月27日に家族のみで密葬を執り行った。お別れの会などは予定していない。
忠夫さんは、1930年7月27日の兵庫県神戸市生まれ。1951年に新東宝第1期ニューフェイスとなり、映画『恋の応援団長』(1952)でデビュー。数多くの映画に出演し、「坊ちゃん」シリーズは当たり役となった。
その後も、映画、テレビ、舞台、ラジオなど幅広く活動。司会業でもお茶の間に知られ、1963年に結婚した花代さんと司会を務めた料理番組「ごちそうさま」（日本テレビ系）は、26年にわたる長寿番組となった。映画ファンには「ゴールデン洋画劇場」（フジテレビ系）の解説でも親しまれた。
1990年代後半にうつ病を発症。その闘病生活はドラマ化もされ、自身の体験をつづった著書「うつへの復讐」（光文社）を発表した。晩年はパーキンソン症候群など健康問題を抱え、寿美さんの献身的なサポートの様子などがテレビで紹介されていた。
息子の高嶋政宏さん、高嶋政伸さんは1980年代後半に俳優デビューし、現在も一線で活躍。忠夫さんは『キングコング対ゴジラ』(1962)に出演しており、1993年の『ゴジラVSメカゴジラ』では政宏さんと親子共演している。忠夫さんについて政宏さんは「ここ数ヶ月、寝たきりの状態が多くなり、呼吸も弱まり、母曰く最後は眠るように旅立っていった、のがせめてもの救いです」とコメントを発表している。（編集部・入倉功一）
高嶋政宏さん、高嶋政伸さんのコメントは以下の通り
高嶋政宏
病院からの、あと5分後にご家族集まってください！ のエマージェンシーコールが頻繁にあるようになったのが2年前。その度に全身が総毛立つような感じにはなりましたが、ここ数ヶ月、寝たきりの状態が多くなり、呼吸も弱まり、母曰く最後は眠るように旅立っていった、のがせめてもの救いです。マスコミそして父のファンであった皆様、報告が遅くなりましたことお許しください。ありがとうございました。
高嶋政伸
父は、最後まで明るく良く通る声で笑ったり、話したりしながら、大好きだったフリオの歌声に包まれて、本当に穏やかに旅立ちました。
このような穏やかな最期を迎えられましたのも、長きにわたり父、高島忠夫を応援して下さった皆様のおかげだと思います。心より感謝を申し上げます。