柄本佑&瀧内公美、激しいラブシーンの裏側
直木賞作家・白石一文による同名小説を原作とした映画『火口のふたり』(8月23日公開、R18+指定)の完成披露試写会が6日、都内で行われ、主演の柄本佑と瀧内公美が登壇。激しいラブシーンの撮影を振り返った。
本作は結婚前に昔の恋人と再会し、未来を見据えて選んだ結婚と、本当に好きな人との恋愛の狭間で揺れ動きつつも、抑えきれない衝動の深みにはまっていく危うい男女の姿を描く。壇上には脚本も手掛けた荒井晴彦監督も登場した。
出演者はそもそも柄本と瀧内のみ。そんな中、初対面だった瀧内とベッドシーンをすることになった柄本は、瀧内の度胸の良さに感心したという。「最初は初対面で緊張したりするんですけど、現場でどしっと男らしくいてくれた。お互いにいい感じで間合いを取りながらやれました」と撮影を回顧。瀧内も「絡みのシーンはアクション。結構難しかった」と感想を述べつつ、柄本には助けられたといい、「(絡みのシーン中)カメラに映ることを想定して、体勢を変えてくれたり、いろいろと考えてくれた。すごく助けてもらえた」と感謝した。
柄本はまた、幼少期から面識のある荒井監督との撮影には若干の照れがあった様子。「テーブルの上で腰を振っているシーンは、俺が果てるところを指示するために、すぐ目の前に荒井さんがいたんですけど、『全部出し切るぐらい必死で腰を振ってくれ』って言ってきて、この人、俺のこと確か5歳から知っているんだよなって……」と照れ笑い。
荒井監督の台本も印象的だったといい、「本の中にかなり演出が書き込まれていた。役者の動きも具体的に書かれていた」。瀧内も「全部、本当に事細かに書いてあって、絡みのシーンもここで手を回すとか、指示書のように書かれていました。挑戦し甲斐がある台本だなって思いました」と同調した。
柄本は「その時に思い付いたことは現場でやってみたりして、それを監督が嫌な時はやめてくれって言うし、いい時は何も言わない。楽しかったですね」とにっこり。瀧内は周囲のスタッフの気遣いにも助けられた。「絡みのシーンも多くて緊張するんですけど、準備期間の時にわたしが話を聞いて怪訝な顔をしていたら、カメラマンの人が『絶対に綺麗に撮りますから』って声をかけてくれた。スタッフの皆さんが全員でフォローしてくださった」と話していた。(取材・文:名鹿祥史)