オダギリジョー監督&柄本明、ベネチアでの披露を前に「ドキドキ」
第76回ベネチア国際映画祭
オダギリジョーが監督し、第76回ベネチア国際映画祭の「ベニス・デイズ」部門に出品されている映画『ある船頭の話』(9月13日公開)の日本メディア向けの会見が現地時間5日にベネチアで実施され、オダギリ監督が主演の柄本明とともに出席。夕方に控える公式上映を前に心境を語った。
本作は橋の建設が進む山村で渡し船で人々の行き来を助ける船頭のトイチ(柄本)の姿を描いた、オダギリ監督によるオリジナルの物語。革新性や探求心、オリジナリティー、インディペンデント精神などに優れたハイクオリティーな作品を紹介する部門である「ベニス・デイズ」に正式出品されている。
ベネチア映画祭は「本当に映画好きの人たちがこの島に集まっている映画祭。俳優として何度か連れてきていただいて思い入れがある」というオダギリ監督。日本では8月21日に完成披露試写会を行なっているが、観客と一緒に座って映画を観るのは今回が初めて。そのことについて聞かれると「そう言われるとドキドキします。でももう作ってしまったものは変えられないですし、いくらブーイングを言われても、それはもう受け入れるしかないなと思っています」と話した。
『許されざる者』(2013)以来2度目のベネチア映画祭参加となった柄本も「確かに言われるとドキドキしますね」とし、「これから上映が近づいてくると、もっとドキドキするんですかね」と続けた。
また、オダギリ監督は初長編監督作で「ベニス・デイズ」に参加していることについて「初長編監督という立場でこういうところに選んでいただけるのは本当に恐縮ですし、『幸せだ』という言葉以上の表現は見つからないです」と感慨深そうに語った。
水の都・ベネチアと言えば街にはゴンドラがあふれ、たくさんの「船頭」がいる街だが、映画祭はゴンドラがあるベネチアの本島からは少し離れたリド島という島で開催されている。ともに忙しく現地の「船頭」がこぐゴンドラに乗る機会はまだないそうで、柄本が「宣伝の方々は僕に船をこいでほしいという気持ちがあるように感じています(笑)。でもだいぶ船が違うからな」と笑うと、オダギリ監督も満面の笑みを見せていた。(編集部・海江田宗)