タル・ベーラの7時間超え作品本編映像 製作から25年で劇場初公開
『ニーチェの馬』『ヴェルクマイスター・ハーモニー』などを手掛けたハンガリーの鬼才タル・ベーラ監督が、1994年に発表した上映時間7時間18分の映画『サタンタンゴ』より、約4分間の本編映像が公開。長回しで撮影された、男たちの歩く後ろ姿などが見られる。
原作は、ハンガリーの小説家クラスナホルカイ・ラースローの同名小説。経済的に行き詰まったハンガリーの小さな村を舞台に、死んだはずの男性イリミアーシュが村に戻ってきたことで戸惑う村人たちの姿を描く。製作から25年が経過している本作は、高画質の4Kデジタル・レストア版として、日本で劇場初公開される。
全編を通して長回し撮影が採用されている本作。映像の前半は、強風の中を男性二人が歩くおよそ1分50秒のワンシーンを切り取ったもので、枯れ葉や紙くずが舞う道をひたすら歩き続ける二人の姿が印象的である。また後半部分は、村へ戻ったイリミアーシュの一人語りシーンの一部が収められており、長ゼリフに挑んだイリミアーシュ役のヴィーグ・ミハーイの姿が映し出される。
ベーラ監督がラースローと共に脚本を執筆した本作は、『ヴェルクマイスター・ハーモニー』のホルヴァート・プチ、『倫敦(ロンドン)から来た男』のデルジ・ヤーノシュ、『悪童日記』のB・ミクローシュらがキャストに名を連ねている。(編集部・倉本拓弥)
映画『サタンタンゴ』は、9月13日よりシアター・イメージフォーラム、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国順次公開