吉岡里帆『見えない目撃者』容赦ない攻撃がポイント!
女優の吉岡里帆が20日、丸の内TOEIで行われた映画『見えない目撃者』初日舞台あいさつに来場、劇中で描かれる“容赦ない攻撃”について語った。この日は高杉真宙、浅香航大、田口トモロヲ、森淳一監督も来場した。
本作は、交通事故によって視力を失った元警察官の浜中なつめ(吉岡)が、事故現場にいた国崎春馬(高杉)とともに誘拐事件の解決に挑む姿を描いたノンストップスリラー。満席の場内を見渡した吉岡は「皆さんにはこれかららまさに劇場の中でドキドキハラハラしながら楽しんでいただこうと思うんですが、その前にほんの少しだけホンワカした時間を一緒に共有できたらなと思っております」とあいさつ。森監督も「この作品はなぜか早く観てもらいたいなと思っていて。『いつかな、いつかな』と指折り数えていたんですけど、ついに今日が初日ということで。とても興奮していると同時に、ちょっと緊張もしています」と晴れやかな顔を見せた。
本作は『泥の河』『茶の味』『たそがれ清兵衛』などの日本映画が最優秀作品賞にあたる賞を受賞してきた「ハワイ国際映画祭」への正式出品が決定。吉岡も「製作チーム一同が、とにかく攻めて攻めて作り上げていった作品だと思います。そういう表現をいろんな海外の映画祭で観ていただいて。どんな風に反応が返ってくるのかすごく楽しみです」とワクワクした顔。森監督も「僕は作品を作るときは必ず、日本の方はもちろん、世界の方にも観ていただくというつもりで作っています。今回は特に日本の社会問題ですとか、いろいろなことを取り入れているので。ぜひ海外の人にも多く観ていただきたいなと思っていたので嬉しかったです」と笑顔を見せた。
本作はR15+に指定されるほどの“攻めた演出”でハラハラドキドキさせるエンターテインメント作品となる。それを踏まえて「本作の攻められポイント」について質問された吉岡は「容赦ない攻撃」と返答。さらに「このひと言に尽きると思うんですが、とにかく後半に登場する猟奇殺人犯との対峙シーンは、人間の怖さがあって。人が人を追い込んでいくさまはこんなに怖いのかということをすごく感じましたし、わたしは目が見えない役を演じていたので、見えない恐怖があるといいますか。冒頭からその恐怖を皆さんと一緒に体験しながら物語が進んでいくので。皆さんも恐怖を一緒に感じていただけるんじゃないかなと思います」と付け加えた。
撮影について森監督が「今回はあまりにも細かく注文を出し過ぎて、煙たがられたかもしれません。何度も撮り直しということもありましたし」と振り返ると、吉岡は「森監督はこだわりがものすごく強い方だと思いました。ワンカットにかける熱量もすごいですし、私の目が見えない描写をずっと続けていくので、そこに対してのリアリティーをずっと追求してくださったのが私としてはすごく心強くて。愛情を感じていました」とコメントして全幅の信頼を寄せている様子がうかがい知れた。(取材・文:壬生智裕)
映画『見えない目撃者』は全国公開中