戸田恵梨香、本気すぎる役づくり!「スカーレット」裏話
30日から放送がスタートしたNHK連続テレビ小説「スカーレット」(月~土、総合・午前8時~ほか)。ヒロインを演じる戸田恵梨香が本気の役づくりで挑んだ、1200°Cの炎が燃える窯でのシーンの裏話などを紹介する。
連続テレビ小説の第101作となる本作では、焼き物の里として知られる滋賀・信楽を舞台に、男性ばかりの陶芸の世界で奮闘する川原喜美子(戸田)の波乱万丈の人生が描かれる。第1話のプロローグでは、喜美子が作業場で土と向き合う姿や、窯から吹き出す炎と対峙する様子が描かれた。このシーンの撮影を迎えるまで、戸田は多忙の合間を縫って陶芸の稽古に取り組み、制作チームは番組オリジナルの焼き物窯を作り上げたという。
プロローグに登場したときの喜美子は、物語の先に待つ、女性陶芸家として独立した30代。戸田は女性陶芸家を演じるにあたり、クランクインまでに約3か月間にわたって陶芸の稽古を行い、粘土に含まれる空気を抜くための“土練り”から、ロクロで小さなカップや茶碗を作る練習、器の底にある高台の部分を作るための作業、さらに釉薬のかけ方といった、数々の工程を習得した。
土を練る作業について「力がなかなかついていかなくって……。陶芸が“男の世界”と言われるのがわかりました」と振り返る戸田。とりわけ、粘土を片方の手で押して、もう片方の手でねじりながら回転させていく“菊きく練り”の技法に苦戦したそうで「男性でも菊練りの後には息切れするぐらい力がいるんですよね。元々の私の体重では十分ではなかったので、陶芸家としての説得力を持たせるために、体重を増やしました」と明かす。
そんなプロローグには、火を吹き上げる大きな焼き物窯も登場。半年にわたって放送される物語のファーストシーンで、ヒロインが対峙する窯と1200°Cの炎。信楽焼を作るリアリティーを演出し、キャラクターに深みを持たせるために、制作陣は本物の窯を作り、そこで火を焚くことを決断。美術チームの総指揮のもと、2019年1月から窯のデザイン案の制作がはじまり、手作り感や素朴さが伝わる形と質感を重視したデザインが決定してから約2週間で完成をみた。戸田も「ものすごい本気を感じますし、衝撃を受けました」と驚く“スカーレット窯”は、中盤以降の重要なモチーフとして再びドラマに登場する予定となっている。
プロローグシーンの撮影は5月、スカーレット窯が作られた滋賀県某所で行われた。夜の撮影に備え、昼から窯に薪がくべられて火が焚かれ、陽の落ちた19時ごろに撮影がスタート。窯が設置された小屋では、窯から炎が噴き出すシーンや、臆することなく喜美子が窯に薪をくべるシーンが撮影された。戸田は「窯の温度を1200°Cまで上げるということは聞いていましたが、実際、そこに立ってみると、もう熱すぎて。距離があっても火傷しそうになるくらい」とコメント。
その一方で「窯の中を見つめていると、炎の勇ましさだったり、自分の神経が研ぎ澄まされていくのも感じて。こんなのCGじゃ絶対に出せない、本物には勝てないなと思いました」と振り返った。(編集部・大内啓輔)