『宮本から君へ』宮本浩はアリ?ナシ?
新井英樹原作漫画の1990年代連載当時、物議をかもした後半エピソードを映画化した『宮本から君へ』(公開中)。本作を鑑賞した160名に、池松壮亮演じる主人公・宮本浩のキャラクターについて「アリか」「ナシか」のアンケートを行ったところ、81%が「アリ」という結果になった。
本作は、2018年4月クールにテレビ東京の深夜枠で放送された連続ドラマに続くエピソードとして、主人公のサラリーマン・宮本と、彼の先輩・神保(松山ケンイチ)を介して出会った中野靖子(蒼井優)を軸に展開。恋人同士になった2人が見舞われる過酷な試練の顛末が描かれる。
池松演じる文具メーカーの営業マン・宮本は、愚直で不器用な男。仕事も恋も、情熱だけで突っ走っては空回り。おまけにケンカも弱く、本作で対峙するラグビー部所属の巨漢・拓馬(一ノ瀬ワタル)にも一撃で倒される始末で、人生負けっぱなし。かなり好き嫌いが分かれるであろうキャラクターだ。
アンケートは、8月22日に新宿バルト9で行われた本作の完成披露試写会に参加した378名のうち、160名が回答。男女比は2対8。年齢層は20代が34%、30代が14%、40代が27%、50代が16%となっている。
主演の池松は、22歳の春に原作と出会い「宮本浩という人は、僕にとってどの歴史上人物よりも星であり、ヒーローでした」と衝撃を受けたと言い、「僕自身は宮本になれなかった側の人間ですが、できれば宮本のようにありたかった。映画では『宮本から君へ』という題材を借りて、今の時代に対して今やるべき“反撃”をしなければならないと思いました」と宮本役への深い思い入れを語っている。
過激なシーンも含むR15+指定の本作には賛否が予想されるが、主演の池松、ヒロイン役・蒼井の体当たりの演技、すさまじい熱量に圧倒される問題作だ。(編集部・石井百合子)