『ジョーカー』ぶっちぎりV2!ウィル・スミスの大作も寄せ付けず
全米ボックスオフィス考
先週末10月11日~10月13日の全米ボックスオフィスランキングが発表され、公開2週目の映画『ジョーカー』が興行収入5,586万1,403ドル(約61億円)で首位の座をキープした。初登場のアニメーション映画『ジ・アダムス・ファミリー(原題) / The Addams Family』やウィル・スミス主演のSFアクション大作『ジェミニマン』も寄せ付けない強さだった。(数字は Box Office Mojo 調べ、1ドル110円計算)
『ジョーカー』は、社会から軽視されてきた貧しい大道芸人(ホアキン・フェニックス)が“悪のカリスマ”ジョーカーへと変貌していくさまを徹底的にリアルに描いたドラマ。前週比はわずか41.9%ダウンと2週目も好調をキープし、10月公開作の2週目の週末興収としては過去最高の数字をたたき出した(これまで1位だったのは2013年公開の『ゼロ・グラビティ』)。公開から10日間での累計興収は1億9,359万190ドル(約213億円)で、世界興収は5億4,829万190ドル(約603億円)に達している。
初登場組では、『ジ・アダムス・ファミリー(原題)』は興収3,030万7ドル(約33億円)と堅調な滑り出しで2位だったものの、ウィル・スミス主演『ジェミニマン』は1億3,800万ドル(約152億円)の製作費をかけながら興収2,055万2,372ドル(約23億円)しか上げられず3位とかなり苦戦している。若いころの自身のクローンに命を狙われることになった暗殺者の闘いをアン・リー監督が描いた。スマホを愛しすぎた男を主人公にしたR指定コメディー『ジャクシー(原題) / Jexi』も9位デビューとつまずいている。
一方で、わずか3館での公開ながら15位にランクインする大ヒットとなったのが、ポン・ジュノ監督の韓国映画『パラサイト 半地下の家族』だ。1館当たりの興収ランキングでは断トツの1位(1館当たり興収12万8,072ドル・約1,409万円)で、これは今年最高の数字。全員無職で半地下の家で暮らすギテク一家が、徐々に裕福なパク家に入り込み、寄生していくさまを描いたブラックコメディーで、第72回カンヌ国際映画祭でのパルムドール受賞を皮切りに、映画祭を席巻してきた。
今週末は、アンジェリーナ・ジョリー主演のディズニー実写映画『マレフィセント2』や、人気ゾンビコメディー映画の10年ぶりの続編『ゾンビランド:ダブルタップ』などが公開される。(編集部・市川遥)
10月11日~10月13日の全米ボックスオフィスランキングは以下の通り。()は先週の順位。
1(1)『ジョーカー』
2(初)『ジ・アダムス・ファミリー(原題) / The Addams Family』
3(初)『ジェミニマン』
4(2)『アボミナブル(原題) / Abominable』
5(3)『ダウントン・アビー』
6(4)『ハスラーズ(原題) / Hustlers』
7(6)『ジュディ(原題) / Judy』
8(5)『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』
9(初)『ジャクシー(原題) / Jexi』
10(7)『アド・アストラ』