上戸彩、娘に自慢できるが一番「すごく幸せ」
映画『マレフィセント2』の日本語吹き替え版で、前作に続き5年ぶりにオーロラ姫の声を担当した女優の上戸彩(34)。第2子出産後の初仕事が大好きなディズニー作品だったことが「何よりもうれしかった」と笑顔を見せる上戸が、本作に込めた思いと共に、自身の5年間の変化について語った。
アンジェリーナ・ジョリー(以下、アンジー)が主演・製作を務める本作は、『眠れる森の美女』の新たな伝説を実写映画化したディズニー映画『マレフィセント』(2014)の続編。マレフィセント(アンジー)と母娘のように深い絆で結ばれたオーロラ姫(エル・ファニング)が、対立する隣国のフィリップ王子(ハリス・ディキンソン)にプロポーズされたことから、二人にさまざまな危機が降りかかる。
5年ぶりにオーロラ姫役のオファーを受けた際、「自分が声を担当するプレッシャーよりも、一人の映画ファンとして『また彼女たちに会えるんだ!』といううれしさと、『どんな物語になるんだろう?』という好奇心の方が強かった」と声を弾ませる上戸。今年7月に第2子となる長男を出産後、すぐの仕事復帰だったため不安もあったそうだが、「長女が生まれて復帰したときも『ズートピア』(2016年/ジュディ・ホップス役)が初仕事でした。ディズニー映画とは本当にご縁があるし、とてもありがたいこと」と喜びもひとしおだ。
今回、オーロラ姫はキュートな少女から美しいプリンセスへと成長し、マレフィセントとの絆を脅かすさまざまな困難に立ち向かうという役どころ。「前作のときは、エルの声が低めだったので、わたしがそれに合わせようとしたら、演出家の方から『上戸さんの声でやってください』と言われて。日本でイメージするプリンセスって、トーンが高くて明るいイメージがあるので、そこから自分なりにオーロラ姫の声を探していったのですが、今回はそこに『強さ』も出していこうと試行錯誤しました」と振り返る上戸。
さらに「前作のときは子供がいなかったので、オーロラ姫目線で全てを観ていましたが、今回は(母親になって)マレフィセントの気持ちもわかるようになり、とても切なかった。『お母さん、あなた(オーロラ姫)のためにこんなに頑張っているんだから、理解してあげて!』って、心のなかで叫んでいました(笑)」とすっかり母目線になっていたことを明かした。
第1作から5年、上戸自身も年を重ね、2児の母親として多忙な毎日を送っているようだが、そうした家庭環境の変化は、女優業にどんな影響を与えているのか。「できれば子供に憧れられるお仕事がしたいと思うので、そういったなかで『マレフィセント』や『ズートピア』など、大好きなディズニー作品をやらせていただけたことは本当に奇跡だし、女の子が必ず通るプリンセス役をやることができてすごく幸せでした。やっぱり、娘に自慢できる作品が一番ですからね」と感慨深げに語る。
ただ、その一方で「楽しいか、楽しくないか」「やりたいか、やりたくないか」という極めてシンプルな感情で仕事を選ぶ「本来の自分も大切にしたい」と語る上戸。「今はお仕事をセーブさせていただいているのですが、監督さんに『わたしを好きなように料理してほしい』とチャレンジする気持ちは、これからも持ち続けていきたいと思っています。ゆくゆくは、毎日泣いて帰るくらい精神的に追い込まれる……そんな役にも挑戦してみたい」と意欲を見せた。
本作でマレフィセントを演じたアンジーの生き方にも大いに共感する上戸。「ジャパンプレミアのとき、お子さんを連れて堂々と歩いている姿には憧れましたね。日本はプライベート感を出さないほうがいいという雰囲気がありますが、アンジーを見ていると、逆にそれが役の奥深さに生きている」。母親になっても過度な守りに入らず、女優として攻める姿勢も忘れない上戸。さらなる今後の活躍に期待したい。(取材・文:坂田正樹)
映画『マレフィセント2』は公開中