杉咲花、朝ドラ主演にヤッター!「おちょやん」2020年度後期放送
30日、女優の杉咲花が2020年度後期に放送されるNHK連続テレビ小説「おちょやん」でヒロインを演じることが渋谷・NHK放送センターで行われた制作・ヒロイン発表会見で明らかにされた。オファーを受けた時の心境について「驚きと喜びが大きかったです」と振り返った杉咲は、「一言で言うなら?」と記者から聞かれると「『ヤッター!』って思いました」と笑顔を見せた。会見には杉咲のほか、脚本を担当する八津弘幸、制作統括の櫻井壮一も参加した。
現在放送中の戸田恵梨香主演の「スカーレット」、2020年度前期放送の窪田正孝主演の「エール」に続く103作目の朝ドラ作品となる「おちょやん」。上方女優の代名詞といえる存在で「大阪のお母さん」として親しまれた喜劇女優・浪花千栄子の人生をモデルに、「半沢直樹」「下町ロケット」などの八津がフィクションとして台本を書きあげる。
高畑充希が主演した「とと姉ちゃん」(2016)にも出演していた杉咲は「朝ドラという特別な作品に携わらせていただけることを本当に光栄に思っています」とし、「みなさんにとっての大事な15分間が、温かくてパワーをもらえるような作品になるように一生懸命頑張りますので楽しみに待っていていただけると嬉しいです」とメッセージを送った。
のん(放送時:能年玲奈)主演の「あまちゃん」(2013)が好きで現在は「スカーレット」を見ており、「朝ドラを見ると『よし、今日も頑張るぞ!』と思えるので(今作も)そんな作品にできれば」と語った杉咲。役作りについては脚本ができあがってからとしながらも「大阪弁を今から頑張ってマスターしたい」と意気込んでいた。
これまで数々のヒット作を手がけてきた八津は「一言で言うと恐怖です。歴史ある朝ドラというもののプレッシャーで毎日つぶされそうになりながら脚本を書いています(笑)」と心境を明かしつつ、「喜劇女優の一代記をやるということで王道中の王道ですが、僕なりの遊びもいれて進化した朝ドラをみなさんに届けたい」とコメント。「会話劇としてボケとツッコミなどで(杉咲に)たくさんしゃべってもらいたいと思っています」と紹介していた。
タイトルの“おちょやん”は“おちょぼさん”がなまった大阪ことばで、茶屋や料亭などで働く小さい女中さんのことを意味する。杉咲演じる竹井千代(たけいちよ)は貧しい家に生まれて小学校にも満足に通えず9歳の時に女中奉公に出されるが、やがて芝居に出会い、女優の道に飛び込んでいく。女中奉公の経験がヒロインの原点であること、“おちょやん”という言葉の親しみやすさ、かわいらしさ、意地と誇りなどの象徴としてタイトルに使用された。
今作のヒロインはオーディションは行わずに杉咲が起用されており、起用理由について制作統括の櫻井は「女優の話であるためヒロインの方の演技力が非常に大事だと思いました。杉咲さんは演技力という点でこの年代では非常に突出した方だと思っています。芝居の中にもチャーミングさと力強さを兼ね備えた方でぜひお願いしたいと思った」と説明した。杉咲は17、18歳から40台後半までのヒロインを演じる予定だという。(編集部・海江田宗)