草なぎ剛、トランスジェンダーの主人公役に挑む ロングヘア姿も公開
俳優の草なぎ剛が主演を務め、「全裸監督」の内田英治が監督を務めるオリジナル映画『ミッドナイトスワン』の製作決定が発表された。ある少女との出会いで母性を自覚するトランスジェンダーの主人公役に挑む草なぎは、「今までで一番大挑戦の役なので、ここでまた新しい作品の力やお芝居の力に目覚めることができたらいいなと思います」と力強い意気込みを語った。
草なぎが演じるのは、故郷の広島を離れて東京にやってきたトランスジェンダーの凪沙(なぎさ)。新宿で一人で生きていくしかない仲間たちと共にステージに立ち、孤独に生きてきた凪沙は、ひょんなことから育児放棄にあっていた親戚の娘・一果(いちか)と暮らすことになり、今まで感じたことのなかった感情を抱くようになる……。切なき疑似母子の姿を通して、自らの性の葛藤、母性の自覚、切なくも美しい現代の愛の形を描き出す。
草なぎは「台本を読んだ時、とても感動し涙がとまらなかった」そうで、「深刻な問題ではあるけれどそこにリアルに生きている人たちの悩みを見せられたらいいなと思います」とコメント。あわせて公開されたビジュアルには、新宿駅前に佇むロングヘア姿の草なぎが収められており、俳優としての新たな境地に期待がかかる。
撮影は10月下旬より都内・関東近郊を中心に始まっており、11月下旬にクランクアップ予定。公開日は現状未定となっている。(編集部・吉田唯)
コメント全文
■草なぎ剛
ー台本を読んでの感想
この脚本が人の愛、エネルギーにすごくあふれていて
国境や性別などを超える力があって、皆さんに楽しんでいただけると思います。
台本を読んだ時、とても感動し涙がとまらなかった。その時の気持ちを作品としてみせられたら。
今までで一番大挑戦の役なので、ここでまた新しい作品の力やお芝居の力に目覚めることができたらいいなと思います。
ー役への取り組み方について
難しい役なのですが、凪沙の気持ちというのは少なからず誰しも生きている人間ならばわかるもの、
作品として訴えかける力があっていいなと思います。
“変えられない運命”、“逃れられない運命“の悲しみ、切なさといったものを人は誰しも抱えていると思う。それを作品のなかで表現できたらと思いました。
いろいろなキャラクターが登場する中、凪沙が作品をひっぱっていくキャラクターになるんじゃないかな。
深刻な問題ではあるけれどそこにリアルに生きている人たちの悩みを見せられたらいいなと思います。
想像もつかない作品になるんじゃないかと思います。監督を信頼してみんなで頑張ります。
■内田英治監督
ー企画意図から映画制作決定までの経緯、草なぎ剛起用理由
5年ぐらい前に少女とトランスジェンダーの疑似親子の物語をつくりたいと思いオリジナル脚本として書きましたが、題材の難しさもあり、この5年間なかなか表に出せなかった。
内面的な演技が要求されるこの難しい役を演じるのは、誰もが知っている方でないと意味がないと思っていたところ、草なぎさんが演じていただけるということで本当にうれしく思います。草なぎさん演じる凪沙と一人の疎外された少女。多様化が進む現代社会の中で必死に愛を求める人たちを描いた物語です。
ー作品への思い
人間は愛のためにどこまで自己を犠牲にすることが出来るのか?
多様化が進むなか、普遍的な一つの愛の形としてトランスジェンダーと少女の関係を描いています。普通に存在する者たちの物語で、普通の娯楽映画として大いに楽しんでいただけたらと思います。