蒼井優「皆さんも映画を信じて」最優秀女優賞に笑顔 第11回TAMA映画賞
女優の蒼井優と前田敦子が、第11回TAMA映画賞・最優秀女優賞を受賞し、17日に中央大学多摩キャンパスクレセントホールにて行われた授賞式に出席。蒼井が「ある種の叱咤激励だと思って、これからも真面目に女優業をやっていくつもりなので、皆さんも映画を信じていただければ」と喜びの言葉を口にすると、前田も「どういうペースかまだ決めていませんが、映画には夢が詰まっている。ひたむきにやっていきたい」と未来に思いを馳せていた。
『長いお別れ』『宮本から君へ』『斬、』において、多岐に渡る役柄を演じ分け、観客の脳裏に鮮烈に焼き付けたという選考理由で最優秀女優賞を受賞した蒼井。それぞれの作品での現場は「一つ一つ勉強になった」と話していたが、そのなかでも塚本晋也監督が手掛けた『斬、』には人一倍思い入れが強いようで「塚本監督のもと、ものづくりの美しさを体感することができました」と感謝を述べる。
また蒼井は「とても新しい一歩を踏み出す時期に、こういう賞をいただけて光栄です」と笑顔を見せると「ある種の叱咤激励だと思って、これからも真面目に女優業をやっていくつもりなので、皆さんも映画を信じていただければ」と客席に呼び掛けていた。
『長いお別れ』は、蒼井の最優秀女優賞をはじめ、山崎努が最優秀男優賞、さらに最優秀作品賞も受賞するなど、高い評価を得た。蒼井にとっても山崎との共演は格別な経験だったようで「山崎さんとお芝居ができて、また好きになってしまいました」とはにかむと「山崎さんは、カメラに映らないシーンでもアドリブを入れる。あれだけのキャリアがあるのに、ご自身のメソッドに縛られず、常に挑戦している。わたしももっと大胆に挑戦していいんだなと改めて感じました」と語っていた。
一方の前田は『旅のおわり世界のはじまり』『葬式の名人』『町田くんの世界』らが評価されての受賞。2019年を「今年は一番映画に参加させていただけた年でした」と振り返ると「やっぱり映画の世界って夢が詰まっているなと。やればやるほどワクワクするし、映画に携わっている方々のひたむきさに尊敬を覚えます」と映画に魅了されていることを明かす。今年、第一子を出産した前田だが「これからどういうペースでやるのかは考え中ですが、でもまた映画の世界にがっつり関われるように、ひたむきにやっていきたいです」と抱負を語っていた。
TAMA映画賞は、多摩市及び近郊の市民からなる実行委員が、明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる<いきのいい>作品・監督・俳優を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰するイベント。(磯部正和)
第11回TAMA映画賞受賞作品、受賞者一覧
最優秀作品賞:
『嵐電』 (鈴木卓爾監督、及びスタッフ・キャスト一同)
『長いお別れ』(中野量太監督、及びスタッフ・キャスト一同)
特別賞:
新海誠監督、及びスタッフ・キャスト一同 (『天気の子』)
藤井道人監督、及びスタッフ・キャスト一同 (『新聞記者』)
最優秀男優賞:
山崎努 (『長いお別れ』)
井浦新 (『嵐電』『こはく』『赤い雪 Red Snow』『止められるか、俺たちを』『宮本から君へ』ほか)
最優秀女優賞:
蒼井優 (『長いお別れ』『宮本から君へ』『斬、』『ある船頭の話』『海獣の子供』)
前田敦子 (『旅のおわり世界のはじまり』『葬式の名人』『町田くんの世界』ほか)
最優秀新進男優賞:
成田凌 (『愛がなんだ』『チワワちゃん』『さよならくちびる』『人間失格 太宰治と3人の女』『翔んで埼玉』ほか)
清水尋也 (『ホットギミック ガールミーツボーイ』『パラレルワールド・ラブストーリー』『貞子』)
最優秀新進女優賞:
岸井ゆきの (『愛がなんだ』『ここは退屈迎えに来て』『ゲキ×シネ「髑髏城の七人」Season風』)
シム・ウンギョン (『新聞記者』)
最優秀新進監督賞:
山戸結希監督 (『ホットギミック ガールミーツボーイ』『21世紀の女の子』)
奥山大史監督 (『僕はイエス様が嫌い』)