山崎まさよし、14年ぶり長編映画主演作に感無量「不祥事だけは…」会場沸かす
シンガーソングライターの山崎まさよしが16日、テアトル新宿にて、約14年ぶりとなる長編映画主演作『影踏み』(公開中)の公開記念舞台あいさつを行い、晴れやかな顔を見せた。舞台あいさつには尾野真千子、北村匠海、篠原哲雄監督も参加した。
『月とキャベツ』の篠原監督と山崎が再びタッグを組んで、人気ミステリー作家・横山秀夫の小説を映画化した本作。世間のルールを外れ、プロの窃盗犯として生きてきた「ノビ師」の真壁(山崎)が、忍び込んだ先で偶然遭遇した事件の秘密を探ろうとするさまを描き出すクライムサスペンスだ。
大勢の観客の前に立った山崎が「映画はお楽しみになりましたか?」と尋ねると、会場からは万雷の拍手。その様子に晴れやかな顔を見せ、「ありがとうございます。感無量と言いますか、今日に限らず、何回も足を運んでいただければと切に願っております」と呼びかけた。
また、無事公開を迎え「やはり不祥事だけは避けたいなと思っていました」と笑った山崎は、「警察のご厄介になるとか、そうなったらアカンから。でも何事もなく。キャストの方も何もなかった、ということでうれしく思っています」と言って会場を沸かせた。
山崎、尾野、北村の3名は今回が初共演。互いの印象を尋ねられた山崎は、「匠海くんと初めて会ったのは本読みの時。僕にとっては本読みって探り探りなので、どういう若者が来るのかなと思っていたんです」と切り出すと、「そうすると(北村が)台本をコンビニの袋に入れて、半ズボンをはいてきて。形式にこだわらない破天荒な一面を見せる子なのかなと思っていたけど、撮影に入っても移動はひとりだし、事務所の方針にとらわれない人なのかなと思った。なめられたらアカンというような」と茶化してみせる。
その言葉に「普段はそんなことないんですけど」と返した北村。「本読みの時の服装は間違えました。雪駄だし、トレーナーには『天才』と書いてあったし。コンビニ袋だし。最悪ですよね。今ならしないですよ」と反省しきり。だが、すぐに「でも撮影中も気を遣って、弟に徹してくれた。僕の車で移動していたんですけど、フランクで打ち解けやすかった」という山崎のフォローに、北村も「まさよしさんは僕の親くらいの世代で、音楽界のレジェンドなんですけど、いざ本読み、撮影を重ねると、フランクで、同じ目線で無邪気にしゃべってくれる。それは素敵だなと思いました」と付け加えた。
さらに尾野の印象について「こんなにおもろいお姉ちゃんとは思わなかった」と続けた山崎は、「ストイックな役が多いじゃないですか。なのにこんなにも事務所の方針に左右されないというか。こういう素敵な二人だったので楽しかったです」とコメント。尾野が「初対面の人と緊張したままお芝居は出来ないので、緊張をほぐすために喋り続けるんです。わたしは喋り続けないと死んでしまうんですよ」と返すと、「マグロか!」と山崎はツッコミを入れていた。(取材:壬生智裕)