ハリウッド挑戦の小林直己、LDHを世界に広げる活動を続けたい
俳優、パフォーマーとして活躍する小林直己(EXILE、三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE)がオーディションで自ら役を勝ち取り出演を果たしたNetflix映画『アースクエイクバード』が、11月15日より世界独占配信される。自身のハリウッド挑戦を「LDHのさらなる飛躍に生かしていきたい」と語る小林が、役者として覚醒した刺激的な撮影の日々を振り返った。
小林直己が謎多きカメラマンに!映画『アースクエイクバード』【動画】
本作は、イギリス人作家スザンナ・ジョーンズによる同名ミステリー小説を映画化した衝撃スリラー。小林演じる謎多きカメラマン禎司と東京に住む2人の外国人女性との三角関係の顛末をミステリアスに描く。『ブラック・レイン』のリドリー・スコット製作総指揮、『アリスのままで』のウォッシュ・ウェストモアランド監督のもと、禎司の恋人ルーシー役を『リリーのすべて』のオスカー女優アリシア・ヴィキャンデル、もう1人の女リリー役を『ローガン・ラッキー』のライリー・キーオが務める。
今回、リドリー、ウォッシュ監督をはじめとする才能豊かなスタッフ陣から大いに刺激を受けたという小林。「ハリウッドの制作チームに加え、撮影が『オールド・ボーイ』のチョン・ジョンフンさん、美術が『キル・ビル』の種田陽平さん、衣装デザインが同じく『キル・ビル』の小川久美子さんと、まさにそれぞれの分野を極めたクリエイターたちが集結したインターナショナルな現場。国も文化も違う彼らが才能をぶつけ合うなかでの作業は、本当にエキサイティングだった」と述懐する。
アリシアとの共演は、そのプロ意識に舌を巻いた。「全く日本語を喋らなかったアリシアが、本番までにあそこまでレベルを上げてくるとは正直驚きました。チェロの演奏も完全にマスターし、女優としての集中力もすごい。撮影の合間は気さくでオープンないつものアリシアですが、いざスイッチが入ると、瞬時にルーシーの“眼”になる。あれこそ本物の役者」と脱帽する。
アリシアを手放しで称賛する小林だが、彼の英語力にも視聴者は驚かされることだろう。留学経験もなく、帰国子女でもない彼は、EXILEや三代目のメンバーが活躍の場を広げていくなか、「自分にも何か持ち味を」ということで、2016年から自らの意志で都内の英会話学校に通い始め、努力の積み重ねでマスターしたもの。「I have a dream! を心の支えにがんばりました」と照れ笑いを浮かべる小林だが、違和感のない流暢な英語、加えて舞台で鍛えたメソッド演技法による役づくりは、本作のミステリアスな世界観にピタリとハマっている。
パフォーマーとして15年、舞台俳優として10年、地道にキャリアを積み重ねてきた小林は、今回のハリウッド進出によって、世界に対する意識も変わったという。「確かに刺激はたくさん受けたけれど、言葉や文化の違いはあっても、結局、芝居は芝居。信頼し合える環境を作りながら、撮影に臨む姿勢は同じだということがわかった。一つ経験値が増えるごとにいろんなことを学ぶことができるので、これからも、日本はもとより海外作品にもっともっとチャレンジしていきたい」と貪欲さを見せる。
さらに、本作がクランクアップした直後に『その瞬間、僕は泣きたくなった-CINEMA FIGHTERS project-』(公開中)で行定勲監督とタッグを組み、短編映画『海風』を撮ったことも、小林の役者魂に火を付けた。「映画の撮影が続いたせいか、『アースクエイクバード』と陸続きでつながっているようで。“役者宣言”というと大袈裟ですが、これを機に僕が本腰を入れて役者に取り組んでいることをみなさんに知ってもらえたらうれしい」とアピールした。
「今回、Netflixと出会い、世界同時配信の作品に出演したように『人との出会いがムーブメントを起こす』ということをLDHから学んだ」という小林。LDHは2017年に海外拠点が新設され、世界に向けての活動を積極的に展開しているが、成功の鍵を握るのは、やはりメンバーの活躍だ。「メンバーそれぞれが出会ったネットワークは、バラバラだと限界があるかもしれませんが、みんなで持ち寄って組み合わせれば、また大きなムーブメントが起こせるかもしれない。今回のハリウッド進出がLDHを世界に広げていく一助になるなら、今後もこの挑戦をどんどん続けていきたい」。一人の俳優としての夢を追いながら、グループ愛にも思いを馳せる小林。彼の躍進は、LDHの躍進でもあるのだ。(取材・文:坂田正樹)
映画『アースクエイクバード』は11月15日よりNetflixにて全世界独占配信開始