新生!渋谷パルコのミニシアター「ホワイトシネクイント」全容明らかに
11月22日にオープン予定の渋谷PARCOの8階に誕生するミニシアター「WHITE CINE QUINTO(ホワイトシネクイント)」内覧会が19日に行われ、その全容が明らかになった。
渋谷PARCO PART3の8階で営業していた多目的ホール「SPACE PART3」を前身とするミニシアター「シネクイント」は、渋谷のミニシアターブームを背景に1999年7月に映画常設館としてスタート。オープニング作品『バッファロー'66』(1998)がロングランヒットを記録したのをはじめ、アート性とエンターテインメント性が融合した質の高い作品を次々と上映し、人気となった。2016年には渋谷PARCO(PART1、PART3)建て替えのため、一時休館。「渋谷シネパレス」跡地に昨年7月に復活した「シネクイント」に続き、渋谷でパルコが運営する2拠点目となるミニシアターが「WHITE CINE QUINTO(ホワイトシネクイント)」である。
「WHITE」には、あたらしい発見、可能性、才能、楽しみ方、そして無限に広がる無垢な場所という意味が込められているといい、「映画、映画館の概念にこだわらず、さまざまなカルチャーや実験的な企画を提供したい」としている。株式会社パルコのエンタテインメント事業部・コンテンツ事業担当映画チームの堤静夫チーフプロデューサーは、「これから新しい映画館がスタートするということで、期待と不安でいっぱいですが、また渋谷に映画のお客さんを増やしたいなと思っていますので、そのひとつの拠点となれば嬉しい」と晴れやかな表情を浮かべる。
座席数は以前の227席から、108席+車椅子スペースと半数近くになったが、映画を楽しむ環境としては充実したものとなった。「いまの時代の映画館はどんどんコンパクトになってきていますが、その分、音響や座席もこだわって作りました。映画を大きなスクリーンで観るという楽しみは味わっていただけるんじゃないかなと思います。シネクイントという映画館をこういう形でスタートできるのは、うれしいこと。期待してくださっているお客さまも多いので、その期待に応えられたら」と述べた。
オープニング作品は、芸術家・草間彌生を追った米制作のドキュメンタリー映画『草間彌生∞INFINITY』。そしてデザイナー・三宅一生が設立したブランドのショーの製作現場を記録した『PLAYGROUNDS Stories behind HOMME PLISSE ISSEY MIYAKE』と、シンガーソングライター・矢野顕子の"一発録"レコーディングの模様を捉えた伝説のドキュメンタリー・フィルム『SUPER FOLK SONG ピアノが愛した女。』(2017/デジタル・リマスター版)のリバイバル上映といったラインナップでスタート。その後も『ラスト・クリスマス』『森山直太朗 人間の森をぬけて』『明日、キミのいない世界で』『転がるビー玉』などの上映も予定されている。
「新しい劇場がスタートするということで、ほかの劇場との差別化も図らないといけない。やはりパルコらしい、アート、音楽、ファッションにマッチするようなテーマを追い続けていきたいなと思い、そういったカラー出しをしていきたい」と語る堤チーフプロデューサーは、「ただ、今後は臨機応変に。やはり渋谷の若いお客さんにも来てもらいたいなと思っているので、今後はアニメもあるでしょうし、ドラマなども出てくると思います。そういったお客さまたちにも面白いなと思ってもらえるような作品を選定していきたい」と意気込んでいた。(取材・文:壬生智裕)
ミニシアター「WHITE CINE QUINTO(ホワイトシネクイント)」は11月22日よりオープン