山崎まさよし、14年ぶり主演作を褒められ大照れ
シンガーソングライターの山崎まさよしが孤高の窃盗犯というダークヒーロー役で約14年ぶりに長編映画主演を務める『影踏み』(公開中)の舞台あいさつが、23日、都内で行われ、山崎と俳優・ミュージシャンの北村匠海、そして山崎の俳優デビュー作『月とキャベツ』でメガホンを取り、本作で長編映画では22年ぶりのタッグが実現した篠原哲雄監督が登壇。山崎は、本作の演技に対する仲間たちの反応や、自身が手掛けた主題歌「影踏み」への思いを明かした。
「半落ち」「クライマーズ・ハイ」「64(ロクヨン)」などの人気ミステリー作家、横山秀夫の小説を映画化した本作。悲しい過去を背負い、凄腕のノビ師(深夜に忍び込む窃盗犯)として孤独に生きてきた主人公・真壁修一(山崎)は、2年の刑期を終えて出所後、自分が逮捕される原因となったある事件の真相を解き明かそうと、相棒の啓二(北村)と行動を始めるというストーリー。
周囲の反響を尋ねられた山崎は「『映画、観たよ』って、よく言われますし、知り合いのミュージシャンからも、(彼らに)言われたことをそのまま言いますが、『存在感』とかと、漠然と、結構照れくさく、褒められています」と苦笑いしたが、反響の大きさに喜びの表情も見せた。北村も「僕も、家族からすごく好きな映画だと連絡がきて、それは、家族がまさよしさんのファンだからということもあるんですが」と続け、「仲のいい助監督さんやカメラマンさんなど、本当に映画が好きな人たちがいいって言ってくれた」と笑顔。
山崎と北村は、昨夜(22日)放送の音楽番組「ミュージックステーション(Mステ)」2時間SP(テレビ朝日系)に出演し、主題歌「影踏み」を共に歌唱した。山崎は「この歌は、僕が作ったとはいえ、本作のストーリーの補足だったり、映画に描かれていない部分を歌詞に落とし込んだので、僕1人ではなく、映画があってこその歌」と説明。「だから、匠海くんと歌うことにすごく意義があるし、彼と一緒に演奏するのは心強かったです」と主題歌に込めた思いを語った。
北村は自身のバンドDISH//でも活動するが、Mステは昨夜が初出演。「今回、まさよしさんと出会っていなかったら、僕がMステに出るのはいつになっただろうと思います。まさよしさんのおかげであそこに立てて、終わったあとも手がこんなでした」と自分の手をブルブル震わせる仕草を見せる。「家で録画を見返したんですが、まさよしさんの隣で『北村くん、すごいことになってるよ』って言っちゃいました」と感激をストレートに表現していた。
イベントの終わりに言葉を求められた山崎は「来年(デビュー)25周年を迎えるというこのタイミングで、僕にとっては横山さん原作の最高の物語、最高の監督である篠原監督、そしてスタッフ、キャスト、匠海くんという最高の共演者と、音楽も含めまして、自分が今出せる最大限の力を注ぎ込んだ作品です」と会場にメッセージ。「みなさんのフェイバリットに加わることを祈ります」と力を込めていた。(取材・文/岸田智)