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こんなアブナイ映画の上映に感謝と三池崇史監督&窪田正孝【マカオ国際映画祭】

レッドカーペットでフォトコールに応える(写真左から)ベッキー、内野聖陽、窪田正孝、三池崇史監督(撮影:中山治美)
レッドカーペットでフォトコールに応える(写真左から)ベッキー、内野聖陽、窪田正孝、三池崇史監督(撮影:中山治美)

 三池崇史監督、窪田正孝主演の『初恋』(2020年2月28日公開)が、中華人民共和国マカオ特別行政区で開催中の第4回マカオ国際映画祭で現地時間7日に上映された。現地には、三池監督、窪田のほか、俳優・内野聖陽、来春出産予定のベッキーも参加。沿道には中華圏でドラマが人気の窪田のファンが多数詰めかけるなど、マカオの土曜の夜を沸かせていた。

 同作は、テレビドラマ「ケータイ捜査官7」(2008)でシリーズ監督を務めた三池監督と窪田が、10年ぶりに監督&主演として再タッグを組んだヤクザ社会の抗争の中で出会ったボクサーと少女のラブストーリー。第72回カンヌ国際映画祭監督週間で世界初上映されたのを皮切りにトロント国際映画祭、サンセバスチャン国際映画祭など世界中の名だたる国際映画祭に招待され、アメリカでは既に日本に先駆けて9月27日に公開している。

窪田正孝
レッドカーペットでインタビューに応じる窪田正孝(撮影:中山治美)

 ただし三池監督ならではのバイオレンス描写も満載で、検閲が厳しい国ではすんなり上映とはいかない。中国の映画祭から声をかけられたものの、劇中に中国マフィアが登場することが問題に。その部分を約30分もカットするよう要請があり、それでは話が全く繋がらなくなることから、あえなく参加を断念したこともあったという。

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 今回はカンヌ国際映画祭などと同じく、107分のインターナショナルバージョンで、ノーカット上映された。ただしエッジの効いたジャンル映画を特集する「フライング・ダガーズ」部門での夜9時からという遅い時間での上映で、映画祭最高ランクのレイティングD(18歳以下鑑賞禁止)が付けられた。

三池崇史監督、窪田正孝、ベッキー、内野聖陽
舞台挨拶を行う(写真左から)三池崇史監督、窪田正孝、ベッキー、内野聖陽(撮影:中山治美)

 特別行政区とはいえ、恐らく中国での公開は不可能な作品を上映する英断に、三池監督は映画祭のプレジデントでありマカオ政府観光局長でもあるマリア・エレナ・デ・セナ・フェルナンデスに「こんなアブナイ映画を上映してくれてありがとうございます」とお礼を述べていた。

 上映も、三池節炸裂のシュールな笑いが満載で、会場からは度々爆笑が沸き起こるほどの盛り上がり。カンヌ国際映画祭参加時にはドラマ収録と重なって公式上映に立ち会えなかった窪田も、ようやく観客と一緒に映画を楽しむことができた。

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現地ファン
窪田正孝の到着を待つ現地ファン(撮影:中山治美)

 上映後、窪田は「1年前の撮影だったので、だいぶ客観的に見られてすごく新鮮でした。『中華帝国』とかいうセリフもあるので大丈夫かなと思っていましたけどウケていたので、結構自虐的なネタが好きなんだなと(笑)。お客さんのリアクションをちょこちょこ見ていたのですが、楽しい時は楽しむし、笑う時は笑うという感情を、海を超えて見られたのはうれしかったです」と確かな手応えを得ていたようだった。 

 同作品の海外映画祭行脚はまだまだ続き、今後はオランダで開催される第49回ロッテルダム国際映画祭(2020年1月22日~2月2日)に参加する。また日本での公開は、インターナショナルバージョンより8分長い115分の上映で、レイティングはPG12(12歳未満の年少者の観覧は、保護者の助言・指導が必要)で公開される。(取材・文:中山治美)

第4回マカオ国際映画祭は10日まで開催

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