中条あやみ、パラカヌー選手役で懸命の役づくり コーチも「オリンピックいける」と太鼓判
女優の中条あやみが12日、都内で開催された「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2019」の最終審査会&新作披露会に出席し、新作映画『水上のフライト』の撮影秘話などを明かした。この日は、監督の兼重淳、企画・脚本を手掛けた土橋章宏も出席した。
同プログラムは、カルチュア・エンタテインメント株式会社と株式会社TSUTAYAが主催する映像企画とクリエイターの発掘プログラム。中条が主演を務める映画『水上のフライト』は第3回審査員特別賞を受賞したもので、来年公開の予定となっている。
中条が演じるのは、不慮の事故により下半身麻痺となり、パラカヌー(パラリンピックのカヌー)という新たな夢に挑むヒロインの遥。オファーをもらった当初、役どころに不安もあったという中条は「障がいをネガティブなイメージではなく、個性で捉えようという台本で、すごく素敵なお話だなと思いました」と出演を決意したという。劇中ではカヌーに乗る演技もあり、「とにかく細いカヌー。(はじめは)乗ることすらできなくて……」と苦戦した撮影を振り返る。
続けて、中条は「練習期間も1か月間くらいで、合成の話も出たくらいです。わたしも無理かなって思っていました」と絶望的な気持ちになったというが、タイトな撮影期間のなかでスタッフの要求に応えようと奮闘し、「追い込まれるうちに乗れるようになっていました」と笑顔を見せた。
そんな中条の奮闘について、兼重監督は「経験者でもひと月以上かかるのに、ものすごく運動神経がいい」と大絶賛。監督から、担当のコーチが「次のオリンピックに出られるんじゃない?」と声をかけたというエピソードを紹介されると、中条は満面の笑みで「まだ筋トレもしています」と楽しそうに答えた。
中条は「カヌーを漕ぐことは無理だと諦めていたけど、できないことはない。自分を信じてチャレンジする楽しさを感じながらやれば、できないことはないんだと気づきました」とコメント。公開へ向けて「来年のオリンピックも盛り上げていければ」とアピールした。
なお、同プログラムは今年から「企画」「脚本」「監督」の新たな3部門を設けて募集が行われ、この日の最終審査会では、600件をこえる応募から2次審査を通過した計8名のファイナリストによる最終プレゼンが行われた。各部門ともグランプリは該当作なしで、それぞれ審査員特別賞が選出された。(取材・文:名鹿祥史)
「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2019」の結果は以下の通り
企画部門 審査員特別賞:「▽サンカク -女は、愛を、くっつけた-(仮)」野村東可
脚本部門 審査員特別賞:「658km 陽子の旅(仮)」室井孝介
監督部門 審査員特別賞:「ヨンチンの成長日記(仮)」Jo Motoyo