ドラマ版「ウォッチメン」主人公シスター・ナイトとは?戦う母、マスクの意味
「チェルノブイリ」「ゲーム・オブ・スローンズ」のHBO局が製作し、2020年1月31日よりスターチャンネルで日本放送がスタートするドラマ「ウォッチメン」。伝説的コミックライターのアラン・ムーアが手掛けたグラフィックノベルをベースとしたアクションシリーズは、オクラホマ州タルサで、黒いフードに黒いマスクをまとった女性ヒーロー“シスター・ナイト”として活動する主人公アンジェラ・エイバーの戦いが描かれる。
もともと原作は歴史的な事件に関わってきたヒーローたちの暗殺事件の裏で進行する陰謀を追う歴史改変SFで、2009年にはザック・スナイダー監督により映画化。今回のシリーズは、それから34年後の世界が舞台となっており、アンジェラもベーカリーに務める母親として暮らしているが、店の隠し扉にはマスクとコスチュームが隠してあり、事件があると颯爽と変身して出動する。
彼女を演じるのは、昨年『ビール・ストリートの恋人たち』でアカデミー賞助演女優賞に輝いたレジーナ・キング。エミー賞主演女優賞など数々の演技賞に輝き、「THIS IS US/ディス・イズ・アス」など人気ドラマで監督も務めるまさに才女。「ウォッチメン」は、そんな彼女が48歳にして挑む本格的なアクションドラマだが、「視聴者は、今作を独創的な作品と捉えてくれると思うわ。例えば、あるカップルがこの番組を一緒に鑑賞すると、鑑賞後にそれぞれのエピソードの様々な箇所で、異なった感情がお互いに生まれてくると思うの」と複雑なドラマだと語る。
ドラマの世界では、ロールシャッハを模したマスクをかぶる白人至上主義組織が跋扈し、警察組織は犯罪者の報復に遭わぬよう、全員がマスクで顔を覆って素性を隠している。アンジェラにとってもマスクは、重要なアイデンティティーであり、夫と大勢の子供を守るアイテムだ。
レジーナは「他人を守るために鎧や防御、あるいはマスクを付けて戦うアイデア自体が、我々の現実世界の動きや変化を投影させたものになっているの。事実、現実社会での我々は頻繁にマスクを変えているわ。誰と、どこにいるかで、人は様々なマスクを被っていると思うから。それは、人が家族といる時と学校にいる時では、被るマスクが違うようにね」と証言。アンジェラが見せるさまざまな“顔”もドラマのポイントになりそう。また本作には、鏡のようなマスクを被った“ルッキングラス”など、彼女のほかにもさまざまなヒーローが登場しており、一癖も二癖もあるヒーローたちが織りなす人間ドラマも見どころとなりそうだ。
本作にはそのほか、ジェレミー・アイアンズ、ルイス・ゴセット・Jr、ドン・ジョンソンなど豪華キャストが出演。「LOST」など人気ドラマを手掛けたデイモン・リンデロフがプロデュースと脚本を担当する。(編集部・入倉功一)
「ウォッチメン」(全9話)はBS10スターチャンネルで放送
【STAR2 字幕版】1月31日(金)より毎週金曜よる11:00 ほか
【STAR3 二ヵ国語版】2月5日(水)より毎週水曜よる10:00 ほか