いじめ死亡事件から着想を得た『許された子どもたち』2020年5月公開決定
映画『ミスミソウ』『ライチ☆光クラブ』などの内藤瑛亮監督が、いじめによる子供の死亡事件に着想を得た新作『許された子どもたち』が、2020年5月9日より渋谷・ユーロスペースほかで公開されることが決定した。
2011年公開の長編デビュー作『先生を流産させる会』では、実際にあった衝撃的な出来事をベースに、担任女教師を流産させようとする少女たちを描き論争を巻き起こした内藤監督。新作『許された子どもたち』では、「山形マット死事件」「大津市中2いじめ自殺事件」「川崎市中1男子生徒殺害事件」「東松山都幾川河川敷少年殺害事件」など、実際の死亡事件から着想を得た。
商業映画でも活躍する内藤監督だが、加害少年と加害者家族、そして被害者家族を描く本作では、8年ぶりに自主制作に踏み切らざるを得なかった。撮影前には、事務所所属の有無を問わずワークショップを開催。出演者の名倉雪乃をはじめ、実年齢に近いキャストを起用して撮影に臨んだ。
制作スタートを報じた2016年当時、本作について内藤監督は「いじめによって人を殺したのにも関わらず、不処分(無罪)という判決が下された少年を描く映画です。罪を犯したにも関わらず、罪を許されてしまった子どもは罪をどう受け止め、生きていくのか。大人は罪を許された子どもとどう向き合うのか。それがテーマです」と語っていた。果たして完成した作品は、どんなメッセージを投げかけるのか。(編集部・入倉功一)
内藤瑛亮監督の劇場公開に寄せたコメントは以下の通り
最初にプロットを書いたのは、2011年の夏でした。自分が小学校高学年の頃に起きた山形マット死事件に着想を得た企画です。
商業映画として成立させるため交渉を続けましたが、進展は得られませんでした。
2015年に川崎市中一男子生徒殺害事件が起き、制作への思いが高まりました。
2016年に自主映画として制作することを決意し、2017年の夏、年末年始、2018年の春にかけて撮影を敢行しました。1年に及ぶポストプロダクションを経て、2019年夏に完成しました。
遠回りしましたが、時間をかけたからこその濃密さが作品に詰まっています。
2020年5月、ついに観客の皆さまへ届けられることを嬉しく思っています
映画『許された子どもたち』は2020年5月9日よりユーロスペースほかにて公開