第92回アカデミー賞ノミネート直前予想!『ワンハリ』『ジョーカー』『アイリッシュマン』『1917』などが有力
第92回アカデミー賞
第92回アカデミー賞ノミネーション発表が、いよいよ目の前に迫った。毎回、必ず何かサプライズが混じるものだが、今の段階で入りそうなものを予想してみよう。(Yuki Saruwatari/猿渡由紀)
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まずは作品賞。この部門は最低5本、最高10本まで枠があるが、実際には8本か9本で落ち着くことが多い。今年は早くから東海岸対西海岸の年になるかと言われてきたように、『アイリッシュマン』(東海岸)と『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(西海岸)は確実と言ってよさそう。『ワンス~』はゴールデン・グローブ賞を最多となる3部門で受賞して勢いを増したところでもある。『アイリッシュマン』を制してグローブの作品賞(ドラマ)を受賞した『1917 命をかけた伝令』もかなりの有力候補。ほかには『ジョーカー』『マリッジ・ストーリー』『ジョジョ・ラビット』あたりか。韓国映画『パラサイト 半地下の家族』は、国際長編映画賞(旧:外国語映画賞)と作品賞のダブルノミネートになる気配が濃厚。あるいは監督、脚本、助演男優、編集も含め、5、6部門に食い込む可能性もある。
次に主演男優賞。手堅いのは、ホアキン・フェニックス(『ジョーカー』)、アダム・ドライヴァー(『マリッジ・ストーリー』)、アントニオ・バンデラス(『ペイン・アンド・グローリー(英題) / Pain and Glory』)、レオナルド・ディカプリオ(『ワンス~』)あたり。残りの1枠を、タロン・エジャトン(『ロケットマン』)、ロバート・デ・ニーロ(『アイリッシュマン』)、エディ・マーフィ(『ルディ・レイ・ムーア』)、クリスチャン・ベイル(『フォードvsフェラーリ』)が争う。
主演女優賞で最有力は、レネー・ゼルウィガー(『ジュディ 虹の彼方に』)、シャーリーズ・セロン(『スキャンダル』)、スカーレット・ヨハンソン(『マリッジ・ストーリー』)、シアーシャ・ローナン(『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』)あたりだ。ただ、このままではまた「#OscarsSoWhite」(白すぎるオスカー)批判が勃発してしまうので、5人目にはぜひシンシア・エリヴォ(『ハリエット』)、オークワフィナ(『フェアウェル』)、ルピタ・ニョンゴ(『アス』)、アルフレ・ウッダード(『クレメンシー(原題) / Clemency』)が入ってほしいところである。
助演男優賞のフロントランナーは、先日ゴールデン・グローブも受賞したブラッド・ピット(『ワンス~』)。彼のライバルは、アル・パチーノ(『アイリッシュマン』)、ジョー・ペシ(『アイリッシュマン』)、トム・ハンクス(『ア・ビューティフル・デイ・イン・ザ・ネイバーフッド(原題) / A Beautiful Day in the Neighborhood』)、ソン・ガンホ(『パラサイト~』)あたりか。
助演女優賞は、ローラ・ダーン(『マリッジ・ストーリー』)、ジェニファー・ロペス(『ハスラーズ』)、フローレンス・ピュー(『ストーリー・オブ・マイライフ~』)、スカーレット・ヨハンソン(『ジョジョ・ラビット』)、アネット・ベニング(『ザ・レポート』)らになりそう。これまた真っ白にならないためにも、『フェアウェル』のおばあちゃん役で名演を見せたチャオ・シューチェンが見逃されないことを願いたい。
ほかに日本人として気になるのは、メイク・ヘアスタイリング賞だ。2年前、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』で受賞した特殊メイクアーティストのカズ・ヒロ(旧:辻一弘)が、『スキャンダル』で再びこの部門のフロントランナーと考えられているのである。長編アニメ映画賞に日本作品が入る可能性がかなり低い今年だけに、彼の健闘を応援したいところである。ノミネーション発表は、日本時間13日夜10時すぎから行われる。