『キャッツ』トム・フーパー監督、天皇陛下からのお言葉に感激
映画『キャッツ』(1月24日公開)のチャリティー試写会が20日、有楽町朝日ホールで行われ、天皇・皇后両陛下と愛子内親王殿下が、トム・フーパー監督、主人公ヴィクトリア役のフランチェスカ・ヘイワード、日本語吹き替え声優の葵わかな、プロデューサーのデブラ・ヘイワードと共に映画をご鑑賞された。
囲み取材に応じた『キャッツ』トム・フーパー監督&主演女優【画像】
1981年のロンドン初演以来、今なお世界中で愛されているミュージカルの金字塔「キャッツ」を実写映画化した本作。ロンドンの片隅にあるゴミ捨て場に迷い込んだ白猫のヴィクトリアが、個性豊かな猫たちとの出会いを通じて、自分らしい生き方を見つけていくさまを描き出す。
両陛下がご退席された後、囲み取材に応じたフーパー監督は「今回の作品を、天皇陛下の隣に座って観ることができて、大変光栄でした。上映が終わった時、天皇陛下から『本当にすばらしかった。楽しんだ』とおっしゃっていただいて、とても謙虚な気持ちになりました。とてもやさしい言葉だと感動しました」と感激の表情。フランチェスカも「今日は両陛下を含めて、日本の皆さんに完成した映画を披露することができて、うれしく思っております。今までの人生で一番大変な体験でしたが、その分、達成感がある仕事をしたと思うので、公開を楽しみにしていただければ」と続けた。
映画上映後には、陛下との歓談の時間が設けられたという。歓談の様子を、葵は「両陛下、内親王殿下が映画の感想を伝えられていました。内親王殿下が猫を飼われているとおっしゃっていて。フランチェスカさんも猫が好き、わたしも猫が大好きで。みんなで猫の話をして、楽しく盛り上がりました」と振り返る。
天皇陛下はイギリスのオックスフォード大学に留学した際に、ニュー・ロンドン・シアターで上演された「キャッツ」を鑑賞したことがあったそうで、フーパー監督は「この作品を観て、その時の記憶がよみがえったとお話してくださいました」と明かす。またフーパー監督自身も、オックスフォード大学が母校であることから「前回、『レ・ミゼラブル』の試写会でお会いした時には、陛下が執筆された『テムズとともに -英国の二年間-』という著書をいただきました。天皇陛下の人生の中でも特別な留学時代の思い出の経験が見事に捉えられていたので、そのことをお伝えしました。それは自分自身の在学中の思い出でもありましたし、ここで演劇の演出家の道を歩み始めたので、そのようなお話をさせていただきました」と付け加えた。(取材・文:壬生智裕)